神威「俺の女？………宇宙一強い女だよ^^そしてこの世で一番美しいんだ」

涙と雨 ページ31

神威side【阿伏兎の記憶より】




”A”


それまで少女の名前を忘れていた。



でも腕を掴んだ瞬間に全てを思い出した。



あの河原での出来事。


河原でAと話したのはあれっきり


でもしっかりと覚えていた




神「俺のこと覚えてる？」



Aは無言だった。


きっと俺と同様忘れているのかも




貴「…………………なんとなく…見覚えはあるんです」




俯いたまま少女は言った。



そりゃ小さい頃の話だ


忘れていても可笑しくはない




神「あの日…俺達は河原で会ってるよ。A……強くなりたいって言ってた」





これまで無表情に近かった彼女が初めて顔色を変えた。



貴「……………どうして貴方は……」





ゆっくり、少女の瞳から涙が零れ落ちる。





貴「私が泣いている時に必ず…現れるのですか？」





彼女も全てを思い出した。



そう、彼女と会ったとき、今みたいに肩を震わせて泣いていたんだ





貴「……………っ」






でも泣き方は違う


幼い頃よりもずっと大人っぽくなって…



おしとやかに…美しく…









降り出した雨は彼女の頬にある涙と混ざった。

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