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「おい朝刊見たか！」
朝から、そう叫ぶ国木田。
それもそのはずだった。一夜にしてマフィアのフロント企業がある七階建ての建物が消滅したからだった。
_____これが組合からのメッセージだった。
「やはり寮にも賢治君は居ません。」
賢治の麦藁帽子を大事そうに抱えながら言う谷崎。
「��逆らう探偵社も用済みマフィアも凡て消す。��ですかね。」
「そのようだね。」
真剣な表情で話す石燕と太宰。この二人がここまで言っているとなるとこれは大問題という事が判る。
「谷崎！これ以上単独で動くな！石燕と敦と組んで賢治を探せ！」
「太宰は俺と会議室に来い。社長会議だ。」
「石燕！貴様なら人一人ぐらい探すのは容易い事だろう？そして、後輩達を守れ！」
「��敵と接触しても戦わず逃げろ！��」
瞬時に指示を出す国木田。国木田の指示は適切なものだ。
だから、それに従い動く探偵社員。
「あんなにピリピリした探偵社は初めてね。」
石燕、谷崎、敦、ナオミで賢治を探していると、ナオミがそう言う。
「ナオミ。矢ッ張り社に戻るンだ。」
「嫌よ！ナオミも捜索を手伝うわ！こんな時に兄様とお姉様と離れたくない！」
喧嘩をし始める谷崎兄妹。そんな喧嘩に巻き込まれる敦と石燕。
「「石燕さん／お姉様も何か言ってください！！」」
石燕にそう言う谷崎兄妹。しかし…
「…石燕さん、顔色悪くないですか？」
大丈夫ですか。と聞いてくる敦達。石燕は、そんな敦達にいつも通りの笑顔を返す。
「すみません。今、異能を複数使用していまして…話を聞けていませんでした…」ｱﾊﾊ…
今、石燕は【油すまし】の耳の良い能力と【狗神】の鼻の良い能力を使っていた。
「私の異能力は強いかもしれませんが、その分負担が凄くなります。
…敦君その時は頼みましたよ。」
じっ、と敦を見て言う石燕。石燕の表情から巫山戯ているようには見えない。
石燕の言葉が聞こえたのかまた、喧嘩をし始める谷崎兄妹。
だが、兄である谷崎の立場が悪くなったのか信号が青に変わった瞬間走り出す。
「ッ、ナオミちゃん！」
嫌な気配を感じた石燕が、ナオミを後ろから掴もうとする。
しかし…
「…ナオミ？」
_____次の瞬間ナオミは、居なくなっていた。
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作者名：楓 | 作成日時：2021年2月28日 20時
