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僕の名前は、敦。
故あって_____
餓死寸前です。
「(孤児院を追い出され、食べるもの、寝るところも無く
…かといって、盗みをはたらく度胸もなく、
こんな処まで来てしまった。)」
河川敷でふらふらとしている少年。彼の名は、中島敦。
敦が置かれている状況は、
生きる為には、盗むか、奪うしかないと云う最悪な状況だった。
「(けど_____)」
いくら孤児院出身だからといっても、やっていい事と悪い事ぐらいわかっていた。
しかし…
_____『お前など、孤児院にも要らぬ。』
_____『どこぞで野垂れ死んでしまえ!』
脳内に映し出される、嫌な記憶。けど、もっと嫌なのは、言われた通りになる事だった。
「(五月蝿い____
僕は死なないぞ__)」
生きる為。
だから、次に通り掛かった者を襲う。
敦の目には、迷いが消えていた。
「(…気配!)」
バッ!と、効果音が付きそうな勢いで振り返る。
すると、敦の後ろにいたのは、白髪の綺麗な女性だった。
「(綺麗な女性だ…。
…襲って大丈夫だろうか…)」
先程までの決意は何処だろうか。
敦の目には再び不安が宿った。
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作者名:楓 | 作成日時:2021年2月28日 20時