オルタナな彼女

fate ページ8

____世界はいつも、
音楽で溢れている____








朝起きれば、耳元に入ってくる目覚ましの音。
最近ハマってるドラマの主題歌だ。

いっちーのだな…起きてないけど


隣の部屋で電話してるのは、にーさん。
着信音がヨジャアイドルのやつ

朝ごはん作ってるのはみっつん。
あの鼻歌は…ポカリのCMのやつ。


リビングのテレビから流れてる音楽は






あ。シュガさんのやつだ。





「おはよ、A。一昨日も昨日もどこ行ってたんだ？」

「みっつんおはよ。事務所行ってた」

「分かった、あれか。SUGA先輩に会うためだろ？」

「うん、一昨日会えた」

「お？じゃあ、作曲教えてもらえることになったってこと？」

「…ううん、」




もう少し考えろって言われたけど

シュガさんの曲が好きだから、作りたいんです。





どうやら、それだけじゃダメらしい。



「おはよー。今日スタジオ練で明日レコーディングだってさ」

「おはよ、にーさん。コーヒーいる？」

朝ごはんを並べながらみっつんが聞いた。

「いる！ありがとう！」

「てか断られちゃったか…
まぁ忙しそうだもんな」

「うん。だからご飯とか肩もみとかするって言ったんだけど…」

そう言うとにーさんがコーヒーを吹き出した。


「ぶほっ、ちょ、それ、パシリw」

「笑うなって。Aなりに精一杯考えたんだよ」

「でも断られちゃった」

「じゃあもう諦める？」

にーさんがテッシュで拭きながら、そう言った。



「うーん…」



テレビを見れば、すごい笑顔のシュガさんがいた。

昨日のシュガさんは、
あんな顔じゃなかったのに…



『それって防弾少年団のSUGAが作ったやつ？それとも、ミンユンギが作ったやつ？』



なんか悲しそうな顔してた…

気がする。

どうして？

あんなにすごい曲が作れるのに

皆を感動させてるのに





「…あきらめない」

「粘り強いwそんな君には納豆をあげよう」

「こら、それにーさんの納豆でしょ」



レコ室で寝ちゃってた時、耳を流れたあのコードに思わず目が覚めた。

誰が作ったのって見たら…まさかだよね。








「…〜♪」







「…おはよぉ、みんな。
あれ、A…それ新曲？」

「ん。おはよ。違うよ
シュガさんの曲」

「耳コピしたんか？はぁ、すげぇなぁ…」

「すごいよね。こんな歌作れるなんて」

「いや、そっちもすごいけど…」





見たら、憧れてた人だったなんて…


月並みの言葉でいえば…そう。





「運命だよ」

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