沖田さんはサボり魔さん7 ページ17
「……………え。な、…なんですか…………。」
「何言ってんでさァ。よく見てくだせェ。コ・レ。」
「え、あぁ……。」
よーく見ると、アイスの棒に「あたり」と書かれている。
(あぁ、当たりか。なるほど。)
びっくりしたよ、一瞬ごみ差し出されたのかと思った。
「あっ、…あぁ、わ、分かりま…し……た。当た…り…引いたんですね。……おめでとうござ……………ん?」
よく見ると、なんか変。
「あっ、あ、当たりじゃ…ないじゃないですか…!!」
「チッ」
今舌打ちしましたよね!?チッて言ったよね今!?
よく見ると、手書きで「あたり」と書かれている。…なんで初め気づかなかったんだろう……。恥ずかしい。
「棒に……じっ、……自分で…書く…のは、ダメです…!!」
「ちぇっ、昔なら上手く行ったのになァ。」
「…む、昔?」
「そ。アンタの婆さんなら引っ掛かってくれたのにねィ。」
「……っ、あなた、うちの店でそんなこ…として…たんですか…。」
“…私は騙せませんよ”と小声で言うと、
「しゃーねーなァ。……じゃあ当たり出るまでここに来るしかねーだろィ。な?Aさん。」
としたり顔の沖田さんが言った。
(…しまった…!逆効果だった………!)
「…………あ、っ…諦めましょうよ………。当たりくじなんて…難しいです。」
「別にいいだろィ。アンタの売り上げにも貢献してやる訳だし。プラマイゼロですぜ。」
(……いやいやいや、まだマイナス100くらい何だけど…!!!)
「ほっ、他の店…に行かれては……っ?」
「アンタ、分かってねーなァ。そういうのが余計に俺を喜ばせるってことも分かんねーんですかィ?」
“んじゃ、また明日来やすよ”
ふらりと出ていく彼は、風のように自由気ままな人だ。
「……こっ、来ない…で……下さい!」
「嫌でさァ」
咄嗟にに口をついた言葉の裏では、ほんの少しだけ、沖田さんについて興味が湧いていた。
(………おかしな人…………。)
………沖田さんとなら、もしかしたらもしかしたら、もしかしたら友達になれる可能性がある………………かもしれない。
とにかく、今は来て欲しくないけど、やっぱり来てほしい。
(………矛盾してる。)
矛盾してたのは私の方だった。
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神桜(プロフ) - 初めましてコメント失礼します。主人公の設定が初めてのタイプでとても面白いです!まだ途中までしか読んでませんが、今日から寝る前に読もうと思います(^^) (2021年6月27日 15時) (レス) id: 86ea1c42a8 (このIDを非表示/違反報告)
夕鈴(プロフ) - 夏水さん» ありがとうございます。面白いと言っていただけて、本当に嬉しいです!!これからも、沖田君との進展を、優しく見守ってくださいね♪これからも、更新頑張りますので、応援よろしくお願いします! (2020年9月6日 13時) (レス) id: 682d5e9ca9 (このIDを非表示/違反報告)
夏水 - 凄く面白いです!ハマってしまいました!!!更新頑張って下さい! (2020年9月4日 15時) (レス) id: 37e7995d1b (このIDを非表示/違反報告)
夕鈴(プロフ) - チノちゃんさん» コメント、ありがとうございます。コメントして下さると、やる気が湧いてきます!!もっと面白い作品を目指して、頑張りますね!!沖田君とくっつけて、早くイチャイチャさせたいです(笑) (2020年9月4日 8時) (レス) id: 682d5e9ca9 (このIDを非表示/違反報告)
チノちゃん(プロフ) - 設定がまず最高です!そして面白い!私的にはとても好きです! (2020年9月3日 23時) (レス) id: 5e7e485832 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夕鈴 | 作成日時:2020年8月27日 8時