屑には屑を。【ハイキュー】【赤葦京治】【黒尾鉄朗】 (ページ3)

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都内某所の高層ビルが連なるオフィス街。所長から頼まれていた茶封筒を出版社に届け丁度エントランスを抜けようと歩いていると、嫌ほど見ていた顔があった。

「…A」

「京治…」

遡ること5年前の高校2年生の夏頃。バレー部のレギュラーで副主将を務めていて、そのうえ眉目秀麗、頭もいいで有名な人と同じクラスになり日直の仕事を放課後していた。

「…赤葦くんは凄くモテるよね」

「そうだね」

彼は否定することもなく日誌を書き進めていく。綺麗な姿勢や字、そんな細かなところも女子にモテる所以なのかななんて考えていた。

「でも、よく彼女変わるよね」

「そうだね」

またも否定することはない。それもそうだろう、事実だから否定したところで意味がない。赤葦くんの横にはいつも違う女の子がいる。隣のクラスの可愛らしい女の子だったと思ったら、その何週間後には綺麗な3年生の先輩だったり1つ下の後輩だったりした。かっこいいで有名だがそれと同じくらいに女癖が最悪だと密かに有名だった。

「めんどくさくないの？」

「…めんどくさくはないかな。愛とか恋とか分からないから思い入れとかもないし。でも、感謝はしているよ」

動かしていた手を止め私の方を何を考えているか分からない、食えない顔で見つめてくる彼を私はクソなクズ野郎だと思った。それ同時に少しだけ、私と似ているだなんて思ってしまった。