赤より紅い＿ﾌｰｺﾞ ページ6
私は吸血鬼
とは言え、夜しか活動できないなんて古典的なものではないし、ご飯だって普通の食事を取れる
親から親へ、子から子へと受け継がれ、吸血鬼の血は私でもう十数代
人間と恋をして結婚したご先祖が何人もいたから次第にその血は薄くなっているけれど、"血"が必要なのは変わらない
週に二回、朝と夜
身内なんてものは遠の昔に死別して、頼れる人もいなかったところに現れたブチャラティによってギャングの世界に入ってからは彼や彼の仲間に協力してもらい、血液を摂取している
人間と同じように吸血鬼にも血の好き嫌いがあって
「フーゴ、ごめん今からいいかな？」
「あ、もうそんな時間でしたか」
この少年＿パンナコッタ・フーゴの血は格別に美味しかった
フーゴは嫌な顔一つせずに私へと首もとを差し出してくれる
白くて、陶器のような肌＿既に甘くて美味しそうな匂いが私の鼻腔を刺激する
「ごめん、痛かったらちゃんと言って」
「ギャングですから、痛みには慣れてますよ」
フーゴはそう言うものの、血を吸われるのは初めはとても痛いそうだ
以前のナランチャなんてギャッと声をあげてはいたい、と涙を流していた
ミスタもミスタで泣きはしなかったものの、痛いと騒いでいたし
「いい？」
「＿ッはい」
私はガブリ、と柔らかい首もとに噛みついて歯をたてた
じゅるり、と品のない音をたててそれを啜ると上の方から押し殺すような吐息が漏れる
じゅっ、じゅっ、と吸い上げる度にフーゴの体がビクビクと痙攣した
甘くてまるで溶かしたチョコレートを飲んでいるかのよう
だけど＿フーゴ本人は辛くないのだろうか
実は痛くて我慢してるんじゃないかと、たまに不安になる
「...ん、ありがとうフーゴ。気分は大丈夫？」
「は...はい、何とも」
ハンカチーフで首もとを抑える彼の手を取ってフーゴ、と語りかけた
「痛いなら言っていいんだよ、確かにフーゴの血は誰よりも美味しいけれど、貴方一人に負担をかけるわけにはいかない。なんなら、前みたいに皆に交代で＿」
「そ、それはダメです＿！」
私はえ、と声を漏らす
彼の顔は血のように赤く染まっていて
「Aが血を飲むのは＿僕だけがいいんです...！貴女に捧げるのは僕だけが」
「フーゴ...」
「好きなんです、どうしようもなく＿Aが」
今日もまた、私は彼だけの血を吸う
それは多分10年後も、20年後も変わらない
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 147人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジョジョの奇妙な冒険」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
yu - リクエストお願いします！ドッピオで独占欲系のをお願いします！ (2019年10月18日 22時) (
レス) id: 4c1ddb9ee6 (このIDを非表示/違反報告)
フラジール - アバッキオが敬語…だと!?（何か失礼だな…） (2019年6月18日 20時) (レス) id: dca7bd7b81 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - ↓のリク アバッキオは夢主が依存してる事知ってる設定で (2019年5月8日 17時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - リクエストで夢主がアバッキオに依存してる話お願いします 夢主はアバッキオを『レオーネ』って呼んでる設定で (2019年5月8日 16時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)
饅頭茶漬けヽ(*≧ω≦)ﾉ(プロフ) - ん”ん”ん”ん”！リクエスト書いてくださりありがとうございました！すごくよかったです！ (2019年2月23日 20時) (レス) id: a5473f27af (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：RIOT | 作成日時：2019年2月11日 16時
