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j『いいんですか？』
「なんでも経験した方がいいから。
単純に、楽しいと思うし」
年度の変わりとか、季節の変わりに。
新しいカタログを持って来てくれる取引先の1つと、朝いちで会うコトになっている。
そこに。
神宮寺君も同席してもらうコトにした。
「ちなみに。今日は服飾なんだけど。
売場に何が足りないか分かる？」
j『えっと……あっ、婦人の方でリュック。
あと紳士のキャップじゃない形と……ボディバックが減ってました。』
「ちゃんと見てるんだね」
j『気になってたので。』
彼は、表情をあまり変えない。
嬉しい時は、解りやすく笑顔が出るけど。
それ以外の表情を、あたしには見せない。
「お世話様ですっ」
「あーお世話様です。よろしくお願いします」
充分に暖まった事務所は、温かいお茶では喉が乾くかもしれない。
と思った瞬間、
j『冷たい方がいいですか』
「……うん。お願い」
こんなコトを思うのは、おかしいかもしれないけど。
ゆうた君なら。
言わなければ気づかないかもしれない。
さっきの売場の話も、まずは確認に走る。
その上で、答える。
ゆうた君の感覚に慣れすぎて、彼だと、
まだうまくバランスがとれない。
「あれ？橘さん髪切りました？」
資料を並べながら、お兄さんが言う。
「えぇ。だいぶ前ですけど」
「その長さも素敵ですね」
曖昧に笑ってみせながら、今の時代、これもセクハラになるのかしらね。とか、
くだらないコトを思った時、ノック音がした。
j『失礼します。』
「今回彼も同席します。新入社員なんです」
「よろしくお願いします。
前回は……岸さんでしたっけ。お元気ですか？」
「そうですね」
隣に腰かけた彼の視線が。
一瞬、こっちに向いた気がした。
・
・
・
j『楽しかったです。』
「でしょ？」
受け取ったカタログや、発注書の確認をしていると、彼が笑った。
「あたしが言うのもおこがましいけど。
神宮寺君はきっと、伸びるよ」
ぴたりと動きを止めた彼が、
j『岸さんよりもですか？』
やっぱり、表情は変えずに
静かにそう言った
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とあ(プロフ) - ユウさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。いただいた感想を励みに更新します (2019年4月1日 14時) (
レス) id: 86c2dc062d (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - 物語の空気感というか時間の流れ方がとても気持ちよくて一気に引き込まれました！岸くんの後輩感と男の子感と男の人感が可愛くて優しくて素敵な作品だなと思いました！！！今後の2人がとても楽しみです！ (2019年3月31日 20時) (レス) id: 111293a5e5 (このIDを非表示/違反報告)
とあ(プロフ) - いっくさん» ありがとうございます。気ままに更新ですが、見ていただけて嬉しいです (2019年2月12日 7時) (レス) id: 86c2dc062d (このIDを非表示/違反報告)
いっく(プロフ) - いつも更新楽しみにしています。岸くん大好きなので勝手にキュンキュンしちゃってます！ (2019年2月11日 8時) (レス) id: c15603ea35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とあ | 作成日時：2019年2月7日 22時
