人間を愛しすぎた喰種は優しすぎました【東京喰種&黒バス】【続編】

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英良サイド

知っていたさ、ずっと前から。

Aが喰種だったことなんて。

でも、知ってるなんていえずのままだった。

そう言えば、きっとAはいなくなってしまうから。


『うぅ・・・あ、あぁあ』


大丈夫、大丈夫。

俺はお前の味方だから。

絶対に、離れたりしないから。

俺は知ってる。

お前がいつも無理してること。

無理やり笑って無理やり明るく振る舞う。

そんなお前に、心休まる場所はあるか？

あってもなくても、俺は、お前の居場所を作ってやる。


英「だから・・・なっ？」


俺はAの頭を掴み、思いっきり自身の身体に押し付ける。

焼けるような熱い痛みが走る。


『がっ！・・・ぃぎ』


Aの赫眼が、俺を見上げる。

目があったので、俺は笑った。


英「喰え！！」


それでお前が、生きられるなら。

幸せが、掴めるなら。

あぁ、でも・・・、


英「生きたかったなぁ、お前と」


お前と笑って、お前と泣いて、

お前と生きて、お前と最期を迎えて。

お前のために笑って、お前のために泣いて、

お前のために生きてお前のために最期を迎えて。

それ以上に幸せなことがあるだろうか。

俺にはない。

好きな子と生きられる。

それだけで十分だ。


英「いや・・・もうひとつあったわ」


俺にとっての、もうひとつの幸せ。


英「生きろ、A」


好きな子が幸せであること。


『・・・っ』


え？

Aは、俺の手を払い、立ち上がる。

俺はベッドに座ったまま、Aを、見上げる。


英「A？」

『・・・・』


Aは、なにも言わなかった。

ただ唇を噛み締め、俺を見ていた。


英「え⁈あ、ちょっ」


Aは突然走りだし、窓から飛び出た。

俺は追おうとしたが、傷が痛み、走れなかった。

でも、代わりに口が走った。


英「ずっと味方だからなああああああああ！」


大きく声を張り上げ、叫ぶ。

Aがどこに居ても聞こえるようにと。


英「お前の居場所はここだからああああああ！」


夜空に響くその声は、


英「いつでも来いよおおおおおおおおお！」


どこまでも木霊した。

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