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貴方サイド
金「ねえ」
屋上、灰色の雲、冷たい風。
目の前にはケン君
少し俯いてて、よく顔が見えないな。
金「ヒデ、退院したんだ、昨日」
『・・・・』
やめてよ。
思い出させないでよ。
ケン君は笑う。
金「喰種に襲われたんだよね」
イヤだ。
金「襲われた当日の夜、君さ」
怖い。
それ以上何も言わないで。
金「何処にいた?」
全身に虫が這い上がってくるような感覚だった。
ぞわぞわ。
ケン君、何で赫眼になってるの?
金「僕は君を信じてる」
‘‘僕は君を疑ったことを信じてる”
メキメキと音を立てながら、赫子を出すケン君。
金「応えてよ」
何だろう。
声が出ない。
口がパクパクと動くだけ。
金「応えてよ!!!!!!」
_______ああ。
赫子が、僕の腹部を貫く。
ごめんね、ケン君。
悲しいよね。憎いよね。
ごめんね。
金「ねえ、君がヒデを傷つけたんだよね?ねえ、なんで?なんでヒデなの?!」
ごめん。
ドクドクと赤い血が流れ出す。
血は僕の白い制服を赤く染め、
足を伝ってコンクリートに滴れる。
金「なんであいつらじゃないの?ヒデは君を助けたのに!!本当なら君を傷つけたあいつらが傷つく方なのに!!!!」
あいつら………かぁ。
ダメだよ。嫌だよ。
誰も傷つけたくないんだ。
ヒデ君だって。
金「もう嫌なのに!!!大切な人は、もう失いたくない!!傷つけたくない!!」
それは、みんな、同じ。
同じなんだよ。
ケン君は僕の腹部から赫子を抜き、へたり込んだ。
金「僕の所為だっ……!」
『!!』
違う、違う。
ケン君は何も悪くない。
金「僕の所為なんd『違う!!!!!!』」
僕はそう言って、ケン君に向かって歩き出す。
何だろう、すごくいいこと思いついたよ。
今日は頭が冴えてるなぁ。
『ねえ、ケン君、僕のこと憎いよね』
『すごくすごく、恨んでるね』
『だったら、さぁ』
僕はケン君の真ん前に立つ。
ケン君は赫眼のまま、僕を見上げる。
『僕を喰え』
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ちーかま - 完結してからたくさんの時が経っているので、作者様はこのコメントを見ることはないかもしれませんが、本当に、お疲れさまでした。私が裏ツクで今まで見た中で、一番好きな作品です。長文失礼しました。 (2018年12月16日 8時) (レス) id: 8f9925b559 (このIDを非表示/違反報告)
ちーかま - 最期ガチ泣きしました。涙でもう画面が見えなくて、眼鏡かけてるから眼鏡にも涙付いて......本当に良いお話でした。黒バスも東京喰種も大好きな漫画だったので、題名に引かれて読み始めてみたら、まさかこんなに良い話だとは思わなくて、運命かと思いました。 (2018年12月16日 8時) (レス) id: 8f9925b559 (このIDを非表示/違反報告)
reona0521(プロフ) - 本当に泣いてしまいました。自分を殺してまで皆を守ろうとする夢主に感動しました。これからも頑張ってください。 (2018年1月29日 21時) (レス) id: 4091e15341 (このIDを非表示/違反報告)
春 - 人間の裏を考えさせられるとても良い話でした。でも一つ意見させて頂きます。なんか最後が中途半端ですかね…東京喰種メンバーは良い感じに終われたけどキセキの世代がなんだかあんなに暴れておいて最後だけ善人ぽっくなるってのがなんだか…。でも面白かったです!!! (2017年12月13日 1時) (レス) id: 309625f9b6 (このIDを非表示/違反報告)
さくら式どろっぷ。 - 人間同士もこうあるべきだと考えさせられる物語で、見つけてよかった。゜(゜´Д`゜)゜。 (2017年8月25日 1時) (レス) id: e732fea85c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユノハ@kurokuro★ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/bluerose/
作成日時:2014年11月12日 7時