人間を愛しすぎた喰種は優しすぎました【東京喰種&黒バス】【続編】

■７６■ ページ26

貴方サイド


『じゃあ皆はさ、朝から換気をしていない、いろんな人が咳をし、くしゃみをしていて菌が全体にウヨウヨあるこの教室にいたいの？』


つまりはそういうことでしょ？


『確かに寒いのが嫌なのは解るよ？でもね、換気をしないと、汚いし、病気にもなっちゃうんだよ？』


まあ、僕はならないけど。

皆は黙って俯いた。

あはは、僕の勝ち。

何に対して競っていたのは知らないが、僕は勝利した時のようないい気分になった。


青「な・・・いっ・・ぇよ」


大ちゃんが、呟いた。

いや、本当に呟いたのかどうかも解らないほど小さな声だったが。

______頬に、火がついたような痛みがついた。


全-貴「「っ？！」」


ガタガタと大きな音を立てて、僕は倒れた。

僕はどうやら、この大ちゃんに殴られたようだ。

咳をすると、手に血がついていた。


『・・・・いっつー』


起き上がらないまま、僕は手の血を舐めた。


青「生意気言ってんじゃねぇよ、喰種のくせに⁉︎」


喰種のくせにって・・・女の子みたいだね。

ま、大ちゃんには女の子みたいなんて、無縁かな。

・・・おいしい。

口の中に広がる、自身の血。

これで、ちょっとは持つかな。


『・・・はーい』


僕は、無理やり笑わず、普通に笑った。

なんだか、笑えた。

解らないけど、なんか、おかしかった。

なんだろう。

こんなことで怒る大ちゃんが可笑しいのかな。

それとも静かだから逆に笑っちゃってるのかな。

まあ、なんだっていいや。

僕は立ち上がり、ずれた机を整えてる。


『ねえ、そんなことよりさ』


僕は下に目線をやったまま、言った。


『なんでさつきは泣いてんの？』

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