人間を愛しすぎた喰種は優しすぎました【東京喰種&黒バス】【続編】

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貴方サイド

僕の鞄は、きっと体育館裏。

昨日、置いてきたままだと思うから。


『かばん、かばん・・・』


僕は生えきった草むらを掻き分け、鞄を探す。

うーむ、先生が見つけて持っていったとか？

まあ無かったらまた買おっか。

僕は、大きくあくびをして、教室へ向かった。



in教室

鞄はあった。

僕の机の上に置かれてあった。


『・・・・・・』


とても無惨な姿で。

ペンだと思われる物で、この世に存在する悪口という悪口をたくさん書いてあった。


『・・・はぁ』


くだらないなぁ、こんなことするなんて。

周りを見れば、皆は知らん顔。

いや、知らん顔どころか、まるで僕が本当にここにいないみたいに。

・・・悲しいなぁ。


『人間は、もっと優しい生き物じゃなかったの？』


だってそうでしょ？

何があってもいっぱい強がって、

誰かのために自分を犠牲にして、

大切な人を守って、

とても幸せそうに笑って、

でも悲しい時悔しい時は思いっきり泣いて、

そんな、素晴らしい生き物なんじゃないの？

そこまで考えて、ふと思った。


『・・・・(あぁ、そうか)』


"今までの僕"が、間違ってたんだ。

人間は優しいから僕も優しくするとか、みんなが仲良しでいるとか、

そんなの、絶対にあり得ないんだ。

喰種と人間は違う。

価値観も、生き方も、食べ物も、なにもかも。

両者とも、一生分かち合えない生き物なんだ。


_______ホントにそうかな？


心の奥底で、そんな声が聞こえた。

いや、聞こえるというより、響いてきた。

この声、ボクは確かに知っている。


実際に君はさ、人間と分かち合い、友達になっているじゃないか。


違う、ボクは知らない、そんなの知らない。


知らないって・・・君、ホントに汚いね。


そんなの遠の昔に知っている。


嘘つき。


嘘なんかじゃないさ。本当だよ。


嘘つき。君は自分を汚いなんて一切思ってない。

むしろ自惚れてるだろう。自分は誰よりも人間に優しくいると。


違う、違う。


そんなお前は誰よりも醜く汚い。


黙れ、黙れ、黙れ。


そんなだから_______



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________みんな離れていくんだよ。

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