■61■ ページ11
ウタサイド
夕方、Aはまだ帰ってきていない。
夕方といっても外はもう暗く街灯が灯っている。
・・・・A、どうしたんだろう。
Aは部活にも入ってないし、こうも遅くはならないはず。
ウ「・・・A」
僕は心配になり、学校に電話した。
[はい帝光中学校の川崎です]
二、三回ほどのコールで、女性が電話にでた。
ウ「あの、霧之咲Aの家の者です。Aが帰ってこないんですけど、まだいますか?」
そうきくと女の人は、少しだけ声をあげた。
[霧之咲さん?いいえ、霧之咲さんはとうに下校してるはずですが・・・]
((ガシャンッ⁉︎
僕は受話器を叩きつけるように置いた。
A…!なんで帰ってこないの…?
僕はサングラスをかけ、外に出た。
−−−−−−−−−
−−−−−
ーー
((バァンッ!
僕は勢い良くドアを開けた。
金「う、ウタさん?」
そう、あんていくの。
みんなは驚いたようで、見開いた目で僕を見る。
ウ「A、来てない?」
いや、見るからに、来ていない。
見た瞬間から、僕はわかっていたかもしれない。
でもきいた。
いてほしいと、願ったから。
錦「A、いねぇの?」
逆に問われた。
ということは居ないんだ。
A、どこ?
ト「ちょっと待てよ、Aいないのか⁈」
ウ「・・・」
トーカちゃんの質問には、答えられなかった。
答える余裕なんて無かった。
今すぐAを探さないと・・・。
僕は早足で、あんていくを去ろうとした。
でも、できなかった。
ヨ「おい」
蓮示の声で僕は金縛りのような感覚に襲われた。
ごめん、僕は、Aを・・・。
ヨ「Aは・・・・どうした」
ウ「わかんない」
わかんない。
その言葉に、僕は異常に虚しく感じた。
わかんない。
ウ「わかんないよ・・・」
気が付けば、僕は皆に背を向けたまま泣いてて、
ウ「Aを守れなかったらっ、どうしよう」
不安という渦に巻き込まれてて、
ウ「Aにっ、何かあったらっ!」
渦には申し訳ない気持ちも混ざってて、
ウ「っごめんな、さ・・・」
もう何もかもがグチャグチャだった。
684人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「黒子のバスケ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちーかま - 完結してからたくさんの時が経っているので、作者様はこのコメントを見ることはないかもしれませんが、本当に、お疲れさまでした。私が裏ツクで今まで見た中で、一番好きな作品です。長文失礼しました。 (2018年12月16日 8時) (レス) id: 8f9925b559 (このIDを非表示/違反報告)
ちーかま - 最期ガチ泣きしました。涙でもう画面が見えなくて、眼鏡かけてるから眼鏡にも涙付いて......本当に良いお話でした。黒バスも東京喰種も大好きな漫画だったので、題名に引かれて読み始めてみたら、まさかこんなに良い話だとは思わなくて、運命かと思いました。 (2018年12月16日 8時) (レス) id: 8f9925b559 (このIDを非表示/違反報告)
reona0521(プロフ) - 本当に泣いてしまいました。自分を殺してまで皆を守ろうとする夢主に感動しました。これからも頑張ってください。 (2018年1月29日 21時) (レス) id: 4091e15341 (このIDを非表示/違反報告)
春 - 人間の裏を考えさせられるとても良い話でした。でも一つ意見させて頂きます。なんか最後が中途半端ですかね…東京喰種メンバーは良い感じに終われたけどキセキの世代がなんだかあんなに暴れておいて最後だけ善人ぽっくなるってのがなんだか…。でも面白かったです!!! (2017年12月13日 1時) (レス) id: 309625f9b6 (このIDを非表示/違反報告)
さくら式どろっぷ。 - 人間同士もこうあるべきだと考えさせられる物語で、見つけてよかった。゜(゜´Д`゜)゜。 (2017年8月25日 1時) (レス) id: e732fea85c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユノハ@kurokuro★ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/bluerose/
作成日時:2014年11月12日 7時