今日ノ夜空ヲ見上ゲテ (ページ10)

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あの後、俺らは色々話しながら歩いた。

鏡花は戯曲家で、尾崎紅葉という人の家に弟子として居候しているらしい。

俺の事も話した。

剣術が出来る事、五郎さんの家に居候している事。

意外にも俺らの相性は良いらしくて、あった時より(相変わらず一定の距離を保たれているけど)随分仲良くなった方だ。

亮「いやぁー！神楽坂ってところは楽しいなぁー…」
鏡花「あんた、本当に来たことがないんだな…」
亮「あぁ」

なんだかんだ言って案内してくれる鏡花は本当に優しい。

まぁ、これが世に言うツンデレってやつなんだろうけど。

思ってたより可愛らしいな…

変な意味じゃないけど。

鏡花「最初にあった頃と全然印象が違うよね、あんた」
亮「あぁー…あれは、気が立ってた、というか…焦っていた、というか…」

あの不忍池では、五郎さんに見つかったら問答無用で「何をしている…怪しいな、斬るぞ」と言われそうだったから、俺も必死だった。

※藤田五郎は田端亮の思っているほどすぐ人を斬る人じゃありません。

「俺は見つかっても平気」みたいな事を言ったけど、内心めっちゃ焦っていた。

鏡花「…藤田は、白雪を斬るって言っていた？」
亮「白雪？誰それ、鏡花の恋人？」
鏡花「はぁ！？馬鹿なの！？いや馬鹿だろ！！」
亮「…何もそんなに馬鹿って言わなくても…」

鏡花「あの竜の事だよ。竜神・白雪。今僕の書いてる【夜叉ケ池】って言う戯曲の登場人物の一人」
亮「ほー…」