ア メ ノ チ ク モ リ 。 【進撃の巨人 現パロ】

秘め事 ページ23

・



俺もそろそろいい年になった頃だった







｢ねぇリヴァイ、私にさ、もしも……もしもだよ。
もしもの事があったら、子供ふたりをお願いしていい？｣






｢は？何だ急に｣







その日は、酷い雨の日だった



台風も近づいてきていて、大雨警報が各地で出されていた






｢んー…もうね、子供たち中学生になるの｣







またこいつの惚気話か



可愛くてしょうがないA


心配ばっかさせられるけど、優しいエレン




この言葉があいつの口癖だった







｢私あと５年も生きられないらしいの｣




｢……は？｣






ザーッと雨が強まった。



雷が時々鳴って、雨音が強くなった





何のことか、さっぱりわからなかった







｢つい最近知ってさぁ…家にいた時ね、咳き込んじゃって
見たら血が出てるの。病院に行ったら、もう末期なんだって｣






｢なんだ…それ｣





訳が分からねぇ



なんでそんな顔で見んだよ





｢私もリヴァイと同じだった。
親なんて知らなくて、気づいたら生きててここまで来て。

だから人一倍力つけて、普通の生活がしたかった。


なんでだろうね、幸せが欲しかったのかな…｣






弱々しく泣くあいつを俺は、じっと見ることしか出来なかった







｢だから……だから、Aとエレンをふたりぼっちにさせないで…っお願い…






私がいなくなったら、ふたりをリヴァイに頼みたいの｣









｢俺は…こんなクズで…子供の育て方なんて分からねぇ。


俺は、人の親にはなれねぇんだよ。


今まで、喧嘩で生きてきたやつだ。生きるためだったらなんでもやる。例え…人として道を踏み外してもな｣





｢へへ…っリヴァイそんな喋るっけ…｣





淡々と笑ったんだこいつは





｢……俺は元々、結構喋る｣









｢お願いリヴァイ｣






多分、あの日こいつに出会わなければ





俺はまだあっちの世界にいるだけだったかもしれねぇ









こいつが土足で、俺の中に入ってきて




俺はいつの間にか、こいつの背中を追いかけていて



気づいたら、広くて眩しいくらいの世界に足を踏み入れていた




｢子供なんて、どうしていいか知らねぇぞ｣





｢それでもいいの、お願い｣





｢父親の代わりなんて、出来ねぇぞ｣





｢うん、いいよ｣





｢飽きれて、捨てるかもしれねぇぞ…｣




｢そんなことリヴァイしないよ｣





｢…そうか、ならなんかあったら俺が引き取る｣



そうあいつに言った

弱いまま→←鮮やか

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す