7話 おやすみ ページ7
「……A?」
「私、私ね、レッスン中に真緒くんが倒れた時、頭の中が真っ白になって、ほんとに、真緒くんが、死んじゃうかと思って、すごく不安だったの。だから、もう、真緒くんが倒れたりするのは嫌、なの」
ああ、だめだ。もう、私完全に泣いてる。
真緒くんはそんな私の顔を後ろから覗き込んで、そっと頰を流れる涙を拭う。
「ごめん。俺、お前にそんなに心配かけてるとは思ってなかった」
「……ううん、いいの。これは、私のわがままだから。でも、真緒くんには自分の身体を大事にしてほしいって思ってる」
「うん」
真緒くんは、もう一度私のことを優しく抱きしめた。
「……真緒くん、えっと……?」
真緒くんはそのまま動かない。そっと後ろを振り返ると、真緒くんは私を抱きしめたまま眠っていた。え……どうしよう。
とりあえずゆっくり動いて、なんとか真緒くんをベッドに寝かせることに成功する。
うーん、それにしてもどうしよう?1人で家に帰るのもダメ、だけど真緒くんに送ってもらうのもダメ。というかそもそも真緒くんを家に1人にするのもダメなような気がしてきたし……。
ん?じゃあ、真緒くんの家に泊まればいいんじゃ?
「……真緒くん」
「ん……」
私を呼びながら、真緒くんの額に手を当てる。熱い。熱、大丈夫かな。早く下がったらいいのに。
真緒くんの寝顔はとても可愛かった。
早く良くなってね、真緒くん。
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三姫俊 - うわわわわぁああああ! あ、サリーがやばいという意味です。 (2016年11月13日 15時) (レス) id: 9ac7039f86 (このIDを非表示/違反報告)
葵春雨(プロフ) - 甲斐都さん 返信の仕方がわからないのでこっちで。感想ありがとうございます! 私は看病されるよりする方が好きなので、同じだと言う人がいて嬉しいですヽ(・∀・)ノありがとうございます! (2016年11月4日 19時) (レス) id: 66a1233d9b (このIDを非表示/違反報告)
甲斐都@枝豆と肉まん(プロフ) - 看病イベントありがとうございます!!私が見た占いツクールの作品だとたいてい主人公が風邪ひいて看病されることが多いので、このサイトでこういう作品に出会えてとても嬉しかったです!面白かったです! (2016年11月3日 13時) (レス) id: 8a88e62585 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葵春雨 | 作成日時:2016年11月2日 21時