黒子の短編集(仮)

この恋が君をころすまで 降旗光樹 ページ28

「お願い、やめて。」
「やめないよ、だってAが悪いんだもん。」
「そ、そんな事・・・。」
どうして壊れちゃったんだろう?わからないよ?

最初はただの幼なじみだった。
小学校でも仲良くやってた。
中学校、ケータイ買ってもらってメールの練習とかしたかったから一番最初に連絡先を交換した。
高校、好きな人がいる事を知った。
でも、その好きな人が自分だって事は、分からなかった。

こうくんは私を閉込めた。窓もない部屋に、一人で。
「A、ねぇA、なんで分かってくれないの?オレはこんなに愛してるのに、何かで一番になったら、付き合ってくれるつて言ったじゃん。」
違うよこうくん、それは冗談なんだよ。勘違いなんだよ。
「ウ、ソ、ツ、キ。」
「ご、ごめ・・・。」
「ふふ、いつ聞いてもいい声、もう誰にも聞かせたくないや。」
そう言って私の首に手をかける。
「や、やめっ・・・。」
「あぁ、その苦しみに歪んだ顔もたまらないや、僕だけのA、大好き。」
その目には光なんてなくて。
「大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き。」
「こうくん・・・。」
首を締めているはずの手には力がなくて、でも、どうして、どうして。
「泣いてるの？」
「Aのせいだ、オレ以外のゴミと喋るから、オレ以外のゴミを視界に入れるから、いけないんだ。」
「ゴミなんて、ひどいよ。」
チームメイトやクラスメイトをゴミ呼ばわりなんて。
「ゴミ同然だよ、あんな肉のかたまり。」
「もしかして・・・。」
あぁ、もう誠凛高校バスケ部はどこにもないんだな。
「なんでだよ!こうすればAはオレしか見なくなると思ったのに!喜ぶと思ったのに!」
こうくん。
「あぁ、そうか、Aがいけないんだ、オレの言うこと聞かないから、そんなA、Aじゃないもんね。」
そう言ってこうくんは2本ナイフに取り出した。
「生まれ変わろう？そして二人で来世でも、いつまでも愛し続けよ、ね？」
誰か、助けて。

この恋が君をころすまでカウントダウンがなりひびく。

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降旗光樹くん夢でした。
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お題提供「確かに恋だった」様から

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