【スモーカー】言葉ひとつ ページ16
真っ青な空に白い雲が浮かぶ。
目の前には、葉巻を咥えた大柄の男。
ギロリとわたしの方を睨んでいる。
そんなに怒んないでよ。
「……海軍、辞めようかな」
って言っただけじゃん。
わたしとヒナ、そしてスモーカーは同期だ。
美人で優等生のヒナ。素行は悪いが実績のあるスモーカー。
対して、目立つ点など何もないわたし。
差が開くことなんて、わかってた。
ようやく手にした本部大尉の階級も、
二人はとうの昔に踏み越えている。
私にもそれなりに部下がついているけれど、
こんな自信のないわたしにつかせているのが申し訳ない。
それに、もう疲れた。
幼いころに憧れた正義の味方は、一枚岩でなかった。
沢山の陰謀が渦巻いていて、
裏切り、横領、そんなものばっかりだ。
……もういやだ。
わたしが目指していたのはこんなのじゃない。
"白ひげ"や"赤髪"の方が、
よっぽど……弱者の味方になっているじゃないか。
「……スモーカー」
「アァ？」
腕を組んだまま、わたしを睨み続けるスモーカー。
この間、本部大佐になった男だ。
「……わたしの正義は、此処にはないよ」
「随分と腑抜けになったモンだな」
……は？
「ケンカ売ってんの？」
「テメェで変えようとは思わねェなら腑抜けだ。
昔は階級が上の奴にも噛みついていったのにな……
テメェがその程度だったとはな」
まァそんなんなら辞めちまった方が良いだろうな。
……言いたいこと言わせておけば、
「黙んなさいよスモーカー。誰が腑抜けだって？
わたしは……自分の正義を貫くための決断をっ」
「自分の正義貫きたきゃァ強くなって上に上がれ！！」
「！！」
「今のテメェは、コトが思うように進まなくて投げ出す
ガキと変わんねぇよ」
カッと首筋が熱くなる。
……図星だからだ。
海軍の内情に疲れたのは事実。
だけど、そんなの言い訳のひとつでしかない。
「Aなら……上がってこれる」
思わず顔を上げる。
スモーカーは、変わらずわたしをまっすぐに見ていた。
……あぁ、くそ。悔しいな。
コイツからの言葉ひとつで、こんなにも奮い立つなんて。
惚れた弱みだ。
「……やってやるわよ。見てなさい、必ず強くなって、
私が海軍のシステムを変えてやる。
身内だろうがなんだろうが、悪の膿は消してやるわ」
そして……そして、
「アンタだって超えてやるわよ、スモーカー」
「フン……口だけにならねェことだな」
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星波(プロフ) - お菊推しさん» 初めまして！閲覧ありがとうございます。申し訳ございませんが、リクエスト等は受け付けておりません。書きたいと思うことがあれば書きますし、それがなければ書かないと思います。申し訳ございません。 (2022年9月5日 23時) (
レス) id: 99055290f6 (このIDを非表示/違反報告)
お菊推し(プロフ) - あのすみません､お菊って出来ますか？あんまり夢小説で見たことがなくて聞いてみたのですが。大丈夫でしたでしょうか？ (2022年9月4日 9時) (レス) id: c04714e485 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：烏丸 | 作成日時：2022年8月2日 23時
