もう一度 ページ2
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「ころんくん、大好きです!」
「ほんと!?ありがとー!...A!」
私の手をぎゅ、と握り締め
ちらりと名札を確認し、笑顔でそう言った彼
その瞬間びりびり、とサイダーが弾けるように
体が震えて、体が一気に熱を持ち始める
「わ、私、あの..」
初めての握手会
あまりの感動に涙がぼろぼろ溢れてきて
待ってる間何度も何度も脳内で
シミュレーションしてきた筈なのに
伝えたい言葉もあるのに
頭の中が真っ白で
これじゃあ時間が経ってしまう、と
焦って手に汗が滲み出す
「..あ!それ僕のアクキーじゃん、それも結構前の!
古参なんだ、すっごい嬉しい!これからも僕のこと
応援してくれる...?」
「っはい!勿論」
優しい笑顔でそう問いかけてくれる彼に
弾かれるようにそう答えた
結局考えてきた言葉を伝えられなかったけど
今まで何人ものりすなーと話したころんくんなら
きっとしっかり伝わっているだろう
でも 。
嗚呼、もう一度、会えたらな...
私は余韻に浸りつつ近くの壁にもたれ掛かると
ふと自分の鞄に付いていたアクキーを取り外し
じっとそれを見つめた
「...これ、いつのアクキーだったかなぁ」
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作者名:月餅 | 作成日時:2021年5月25日 22時