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「邪魔するぞ」
「オイオイ 何平然と人ン家の玄関破壊してんだコノヤロー。壊すのは頭の毛根だけにしてもらえません?」
「見ろ、頭抱える程悩んで可哀想だろうが。
女の子には優しくしないとモテないぞ」
「いやいやいや、こう見えてもモテてるんで。町歩けばそこら中から黄色い声?あがりまくりなんで?」
「悲鳴の間違いだろ」
神威さんの件で悩んでいたのは黙っておこう。
お父さん勘違いですなんて言ったら私が玄関みたいになる。
「ちょっと銀さん。凄い音しましたけど何かあったん…あれ?お客さんですか?」
銀さんと言い争いながら万事屋へ上がり込む星海坊主さんの後に続くと眼鏡が印象的な地味めな少年、新八くんが台所からひょこり、現れた。
フオ…!よ、よ、万事屋メンバーが揃った…!
この星には理不尽なジャイアンもいない。無茶な強要もされない。ここが、ここが、
「ここが天国………」
「え、天国?」
「人ン家でなにやべーもん見えてんだ!?
仕事よりも先に病院紹介した方がいいんじゃねえかオイ」
居間へ入ると銀さんはソファーに腰掛けた。
フワフワの天パを右手で乱暴に掻き「ん」と机を挟んだ向かい側のソファーを顎で指す。
私と星海坊主さんに座るよう言っているようだ。
「……で。依頼は?」
「依頼。……、依頼?」
星海坊主さんに連れられてきたものの肝心の依頼を私は持っていない。
え、えへへ、と誤魔化すように笑い首を傾げれば怪訝そうな視線が送られてきた。すみません…!!
「このお嬢さんは少々訳ありでな。
何やかんやあって地球に戻ってきたばかりで働き先を探してる。その手助けをしてやって欲しい」
「いやいやいや、"訳ありの何やかんや"?
そこ大事なとこだろーが。怪しい奴に職は紹介できねェし探せねーぞ。っつうか、仕事欲しいのはこっちだわ」
「!! あのっ 決して怪しい者では…!」
「じゃあその何やかんやを話してみろ」
神威さん達の話はどこまで伏せておけばいいだろう? トリップしてからの事を頭の中で順々に思い返して整理していく。
「コロッピー星という星へ出稼ぎに行ってたのですが、働いていたお店のお客さんに気に入られ…?てしまって気付いたらその人の元で働いてました」
ややこしい所は省きながら話す。
銀さんは怪訝そうな表情を浮かべるも「ほぉ」と相槌を打った。
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おいも(プロフ) - 紫姫さん» 最後までお読みくださりありがとうございます🐰💓 トリップにも理由があるのかも、と考えた末辿り着いた場所がちょっとしたホラーになってしまいました((🙊)) 不完全燃焼気味のラストでしたが少しでも楽しめていただけていたら幸いです🙇 (2021年9月21日 20時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - まさかの結末でごっさ驚きました!!そして少し怖かったです(笑) (2021年9月19日 18時) (レス) id: eab8838b37 (このIDを非表示/違反報告)
おいも(プロフ) - カビキラーさん» 最後までお読みくださりありがとうございます(*´ω`) 以前から少し変わったお話を書いてみたかったので驚いてもらえて嬉しいです(∩´∀`)∩ トリップは色んなENDになれる楽しさがあるのでこの後二人が結ばれる世界線もあるかもです…! (2020年2月17日 20時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
カビキラー - 神威と結ばれるのかなと思ってたのでオチで驚きました!軽く怖っ!って思いました笑 (2020年2月13日 19時) (レス) id: edf3a1c316 (このIDを非表示/違反報告)
おいも(プロフ) - 氷華さん» わー!ありがとうございます…! 二人にはまた巡り会ってもらいたいので、もし続編を書く機会があればハッピーエンドにしてみたいです!(´ω`)! (2019年12月26日 19時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おいも | 作成日時:2019年10月16日 19時