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「それじゃ頼みまし……、団長サマ?
何をなさろうとしてるんで?」

「見てわからない?」

「俺にはガキで砲丸投げしようとしてるようにしか見えねえが」

「んー。惜しいね。正解は "子供(これ)を投げて阿伏兎の頭に風穴空ける" でした〜」

「やめろやめろ!!おい団長分かってるのか?それ嬢ちゃん!嬢ちゃん死んだら飯はどうする気だ!」

「あはは、大丈夫でしょ」

大丈夫なワケあるか。ガキの首根っこを片手で掴み、軽々と持ち上げる光景に声を上げるも団長は呑気に笑うのみ。嬢ちゃんの飯が食えなくなりゃァ八つ当たりされるのはコッチだ、勘弁してくれ。

ガキに戻ったといえど、元は嬢ちゃん。
自分のおかれている立場を理解はせずとも危機感を抱いたのか、不安げな瞳で団長見るとその小さな両手を伸ばした。

「…だっこ……」

暴れもせず、ただ一言。
下がりきった眉が悲壮感を漂わせている。

「……」

それに何を思ったのかは知る由もないが、団長は静かにガキを抱き直した。キャッキャと嬉しそうに笑うガキに対し団長は不服そうな顔をしている。…こりゃまた珍しい絵面だ。

「3分」

「あ?」

「3分だけ時間あげるよ」

「おいおい、3分じゃカップラーメンしか作れね、」

「いいの? つまらない事言ってる間に残り1分だけど」

「嘘つけェ!まだ30秒くらいしか経ってねェだろうが!…くそ!!」

「頑張ってね〜」

「バイバーイ」

なァにがバイバーイだ。こっちの気もしらねェで暢気なもんだ。

兄妹のように仲の良いクソガキ二人に見送られ、資料保管庫へ向かう。元に戻ったら文句の一つや二つ言わせてもらわねェとやってられねェぞこのスットコドッコイ共。

「おいちゃーん!」

「"い" じゃなくて、"じ" 」

「……じいちゃん?」

「間違ってはないね」

遠くからガキ共のやり取りが聞こえてきやがる。
誰かジジイだ、おじさんまだ現役だから。まだ30だから。…18そこらのガキからしたらジジイになるのか?

(コロコロ)、ありがと!」

「阿伏兎ー。俺は飴じゃなくて肉がいいな〜」

「五月蝿ェ!! 黙って留守番してやがれ!」

面倒見たくねェと言ってた割にはノリノリじゃねーか、クソ。しかもなんだコロコロって。
ネチネチと悪態をついてやりたかったが、無邪気に笑う嬢ちゃんに腹ン中から湧いたモン全部消えちまった。
あーあ、孫がいたらこんな感じなのかねェ…

ガラにもないと笑われそうだが、時間があれば後でかまってやろう。そう思い、資料片手に戻った頃には嬢ちゃんは元の姿に戻っていた。チクショウめ。




危機一髪少女とお見合い兎→←▼



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おいも(プロフ) - いるあさん» ああありがとうございます…!!勿体無いお言葉に飛び跳ねてしまいました(´ω`)今なら木にも登れそうです!(∩´∀`)∩! (2019年10月12日 12時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
いるあ(プロフ) - とても面白いです、評価が少ないのが不思議なくらいです (2019年10月9日 7時) (レス) id: 12f9a783cd (このIDを非表示/違反報告)
おいも(プロフ) - あまいろさん» !!! お読みいただけただけでも嬉しいのにコメントまで…!ありがとうございます!5度見くらいしてしまいました(´ `*)続けて楽しんでもらえるよう精進します!L(´ω`)」! (2019年9月29日 18時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
あまいろ(プロフ) - とても面白いです!これからも更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2019年9月29日 13時) (レス) id: 441f1e9f18 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おいも | 作成日時:2019年4月5日 21時

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