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「ご注文の品はこちらに御座いますので」

「おう。すまんね」

荷台の扉に手をかける。…折角人と会えたのにこの中の物を引き渡したらお別れしなければならない…。これも何かの縁、私の身に起きた摩訶不思議な身の上話を聞いてもらいたい。

まじ?ワープしたの??やばくね?みたいな話ししたいなぁ。あわよくば地球まで送ってくれたりなーんて………、


カチャ

「!? え、?」

「ん?」

「うそ、 私鍵かけ、て、あれ…!?」

鍵を掛けていたはずの扉は既に開いており、慌てて中を確認する。泥棒? それとも元からかけ忘れていて今頃お手製の料理たちは宇宙のどこかに漂っていたり…。

悪いことばかりが頭を過ぎる中 視界の端でピョコン、ぴょこぴょことピンクの物体が動いた。
…毛? 毛のようなものが可愛らしく揺れていた。

「んー、中々いけるね」

毛が喋った。しかもなんか空のお皿がちらほら見えるんですけど。気のせいじゃないですよねこれ。

「…はっ!ああの!お客様すみません!これはその──!」

うちの店に過失はないことを伝えるべく言葉を紡ごうとするもそれは不発に終わった。

「おいおい、団長…何先に食ってんだ」

「あー、阿伏兎?何してたの?」

「ハァ…腹を空かせた団長様の代わりに代金を支払ってたんですよ」

「ふーん。そっか」

……お知り合いっぽい?
よ、よよよかった…!お店の評判は守られた!ドキドキした。めっさドキドキした!か、帰ろう!もう帰って笑い話にしたい…!

「お話の所申し訳御座いません。
わたくしはこの辺りで失礼して…」

そう遠回しに、早く荷台から料理を運んで欲しい旨を伝えると中からピンク色の髪の男の子が出てきた。

後ろで長い髪を三つ編みにしていたから一瞬女の子かと見間違えそうになるもそれ以上性別を疑うことはしなかった。何故なら、私はそのピンク色の髪の子を知っていたからである。

「ね、あの飯作ったのってアンタ?」

口元にご飯粒を付けて不自然な程にこにこ笑みを絶やさず浮かべ、私に問いかける。私は引きつりそうな口元を必死に緩めて、笑顔を作った。

「いえ。こちらの料理全て当店の店長が作っております」

「じゃあその店長に伝えといてよ。また頼むよって」

「かしこまりました。お伝えさせていただきますね」

客と店員としての当たり障りないやり取りを交わし、それ以上引き留められることなく私は巨大船から離れる事に成功した。



「な、なんで神威さんが…」

悪い意味でドキドキ煩い心臓をおさえながら帰りの宇宙を走行する。わああ、もう二度と会いたくない!




店員少女と兎少年→←▼



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おいも(プロフ) - いるあさん» ああありがとうございます…!!勿体無いお言葉に飛び跳ねてしまいました(´ω`)今なら木にも登れそうです!(∩´∀`)∩! (2019年10月12日 12時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
いるあ(プロフ) - とても面白いです、評価が少ないのが不思議なくらいです (2019年10月9日 7時) (レス) id: 12f9a783cd (このIDを非表示/違反報告)
おいも(プロフ) - あまいろさん» !!! お読みいただけただけでも嬉しいのにコメントまで…!ありがとうございます!5度見くらいしてしまいました(´ `*)続けて楽しんでもらえるよう精進します!L(´ω`)」! (2019年9月29日 18時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
あまいろ(プロフ) - とても面白いです!これからも更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2019年9月29日 13時) (レス) id: 441f1e9f18 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おいも | 作成日時:2019年4月5日 21時

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