ショコラ

＊ ページ10

·







「·······好き、私北山くんが──





荒々しく奪われた唇。

私の手を絡めとるように繋いで、
また何度も深いキスを繰り返す。








「ごめん、別にこれ目的じゃないから。
でも、ちょっと無理そうだわ。」









切なそうに私を見つめて、
ゆっくりと唇に視線を落とす。

私の隙を狙って捩じ込まれた舌に、
思わず声を漏らすと北山くんは嬉しそうに微笑んで、





「······ん······、きたやまくっ





声を出しても
それを掻き消すように続けられるキスに、
トンっと胸を押す。







「北山くん、」


「···ん？」






「・・・・・好きだよ」






キスする前に、
気持ちだけ聞いて？

北山くんだけ伝えちゃうなんて
なんかずるい。





「チャラいしさ、」



「ん、」



「私よりも慣れてるし、」



「·····ふふ、うん。」



「ちょっとムカつくけど、」



「え〜」






優しく北山くんの頬に手を当てると、
少しびっくりした様に見せたけど、
また優しく微笑んで頭を撫でてくれた。







「······私、北山くんの全部が好き。」






少し強引に腕を引っ張られて
その場で起き上がると、
ぎゅって大きな身体に包み込まれた。


・・・いい匂い。







「俺も好きだけどさ、
もっかい言ってくんない？さっきの。」


「もっかい·····？」


「そう、もっかい。」





たまに私の腰を触りながら
ビクッとする私に楽しそうに笑って、
次の言葉を急かすようにまた身体に触れてくる。








「·······好き。」






「違う。」


「······えっ？」





ふわっと優しくキスを落として、









·









「大、忘れてる。
それとも愛してるの方がいっかな〜、」




「····っ········！」








やっぱり彼は少し上を行っている。

これからもまたそうやって、
年下なのに私を圧巻させるの？





たまには、私だってドキドキさせるから。





“うわてなアイツ。”END.*･ﾟ .ﾟ･*.

幼馴染と他人は紙一重【T】→←＊

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す