幼馴染と他人は紙一重【T】 ページ11
·
「裕太、帰ろ」
教室で直射日光を浴びながら、
だらしなく机の上で眠る裕太は、
窓の横で外が見えて
尚且つ先生からも遠いこの席のことを
“ベスポジ”と呼ぶ。
「もうみんな帰っちゃったじゃん。
そのうち先生も来ちゃうんじゃない？」
「いいじゃん。ちょっと昼寝」
「授業中、いつも寝てるのは何？」
「あれはお菓子食べながら勉強すんのと一緒。
寝ながら勉強、みたいな？」
「語彙力やばいね」
寝起きの裕太は機嫌が悪い。
のそっと顔を上げると、
見るからに不機嫌そうな顔で私を捉えた。
「早く帰って勉強しなきゃ、
お母さん心配しちゃうよ？」
「おせっかいばばあ」
・・・・・なんですって。
こんな手のかかる男を、
幼馴染という理由で仲良くしてやってる
私の身にもなりなさいよっ！！
口を開けたら毒舌。
顔はものすごく甘いくせに、
言動と言ったら棘しかない。
まぁ、それも私だけに。なんだけど。
“玉森くん、ばいばーい！”
“んふ、ばいば〜い”
あの気持ち悪いほどの愛想笑いも、
私の前では表裏の激しい猫。
「ほらっ、帰るよ！」
「·····分かったって」
嫌々そうな裕太の手を引っ張って、
今日も家まで連れて帰すのが私の宿命。
·
「うわ、もう桜咲きそうじゃん」
「そうだね」
小学生の頃から通ってきたこの並木道も、
桜が咲いちゃった次の年には
お互い大学生になって、
別々になってるだよね、きっと。
黒いランドセルを追い越して、
“裕太遅い”だなんて、バカに出来た
まだ私の方が背が高くて強かったあの頃。
そんな時はあっという間に過ぎて
今では裕太の方が背が高い。
力も強くて、泣き虫だった裕太は
今や私を慰めるまでに。
喋る時は必ず上を向かなきゃならないし、
授業中あんなにサボってるくせして
どれだけ頑張っても、いつまで経っても
私は裕太の成績を抜かせない。
隠れて勉強してること、知ってるの。
そういうとこだよね、裕太って。
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あい(プロフ) - りなさん» はじめまして、コメントありがとうございます^^きゅんきゅんしていただけましたか！一番嬉しいお言葉です（笑）続編もupさせていただきましたので、是非そちらでもお待ちしております☆ (2018年5月21日 1時) (
レス) id: dd8208cd00 (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - 続編楽しみです！きゅんきゅんです！ (2018年5月21日 0時) (レス) id: 7acbea5606 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - はちみつさん» ・・え？はちみつさん？こちらこそいつも小説読ませてもらってますっ！いきなりの登場でびっくりです・・（笑）私もこのお話の北山さん大好きなんですよね〜、もどかしいんですけどリア恋はやっぱり北山さんが一番似合うなと思って妄想が止まりませんでした（北山担） (2018年5月20日 11時) (レス) id: dd8208cd00 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ(プロフ) - こんにちは^^*小説読ませてもらってコメントしてしまいました( ´ ▽ ` )俺が好きでしょみっくん、気持ち分かります！近くにいるリア恋すぎてね、なかなか好きって気付けないんだけど何だかんだで北山さんが一番なんです！(北山担の意見笑)またキュン作品待ってます♪ (2018年5月20日 9時) (レス) id: 110603a9b6 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - mokaさん» mokaさん、またまたありがとうございます！こんな風に優しすぎて胸が苦しくなるほどの彼氏いませんかね（いない）玉森さんの年下設定なら、私の作品で既に書いているので、多分一番書きやすいかと思います（笑）またまたお時間いただきますが、ぜひお待ち下さい^^ (2018年3月21日 22時) (レス) id: dd8208cd00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あい
| 作成日時：2018年2月27日 1時
