ショコラ

＊ ページ4

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「先輩·······、」


「俺のこと、嫌いになった？」


「···え？」




急に立ち上がって、
手を引かれた私はまたズカズカと
どこかに連れていかれる。

ほら、やっぱり強引じゃん。





「·········ベッド？」


「そ。」



たどり着いたのは寝室。
なにこれ、極端すぎじゃない？



ボスんってそのまま
ベッドに腰を下ろしてしまった先輩は
私の腕をまた引いて、
今度はふわっと抱きしめられた。





なんでそんなに優しく抱きしめるの。

怖くなっちゃいそう、
先輩が先輩じゃなさすぎて。





「Aは俺に言いたいこと全部言えた？」


「····はい、」




胸の中に閉じ込められたまま
先輩は話し続けてて、
初めてこんなにもダイレクトに
先輩を感じたかも········





「じゃ、俺からも不満言うわ。」



「······え？先輩もあるの？」



「まず、その先輩呼びやめろよ。」



「先輩もお前って言うじゃん。」




すらすらと述べてくるけど
それ全部言ってることとやってることが
矛盾しちゃってるよ？




「あと、一個お願い。」



「······いつもお願いだらけでしょ？」



「うるさい。」




初めて身体を離されて、
いつもよりもぐんと近づいた距離のまま
私の顔を見つめてくる。

・・・なにその優しい顔。
そんな目で見つめられたことないよ。
どうしちゃったの先輩。






「・・・もっと、続きしてもいい？」




初めて聞いた、
先輩の弱そうな声。


もしかして、今までずっと
何もしてこなかったのは、
私を大事にしてくれてただけ·······？


そう思うと、やっぱり好きが増えちゃうじゃん。
あんなに嫌だったけど、また好きになっちゃうよ？






「いやだ。」


「は？」


「うそ、いいですよ。」




さっきまでの硬い表情が
みるみる柔らかくなって、

またすぐにキスを落とされる。






「言っとくけど、お前と宮田は
一緒なんて思ってないから。」


「じゃあ宮田さんはなんなの？」


「利口な俺の犬。」


「ほら。」





愛情表現がとにかく下手な先輩だけど、
これからはどんどん
それを受け止められるような
器の大きい女性になれるように頑張るよ、先輩。





「好きだよ、A。」







“先輩は彼氏” END.*･ﾟ .ﾟ･*.

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