相変わらずの ページ4
大学を卒業してから
誰とも深いお付き合いはしていない。
ちょっといい感じになって食事したり
映画を観たり、絵を見に行ったり。
そんな事は、何回かあった。
手を繋ぐ、身体を寄せる、抱きしめ合う。
実際に触れる度に繰り返し思ってしまう。
−違う、翔くんじゃない−
二度と手に入らない温もりを、声を
探しては挫け、諦め、また探す。
「もういい加減にしたらって思うわよ。
求めるなら執着しなさいって話だもの。
あっさり身を引いたくせに忘れないとか、
不器用過ぎるんだって、Aは」
美琴とは、ちょうど季節ごとに会って
色々と、様々に、愚痴を言っては慰め合う。
言われたように恋愛に不器用な私だけでなく
順調な美琴にも悩みは尽きないようで。
松本くんと気持ちがすれ違って別れてから
地方公務員の仕事に打ち込んでいた美琴は、
同僚の相葉さんという素敵な男性に告白され
去年の春から想いを育てている。
松本くんとは、結婚のタイミングが違って
美琴が待ち切れなくなった結果、別れた。
何でも言葉にして話し合い、接点を見つけて
お互いを尊重していた二人だったからこそ
妥協できなかったと笑って話してくれた。
「あんなに好きになることなんて、
この先もないかもしれないと思うわよ
でも一緒にいたらだめになるって分かるの。
二人でできることは、全部終わったのよ」
そう思える位、好きだったってことよね？
愛し抜いた、のかな。
私には、経験のないレベルの話だから
美琴の真剣な表情に頷くしかなかった。
相葉さんは、そんな美琴の話を
辛抱強く聞いてくれた男友達だったそう。
否定せず、かと言って肯定もしないまま
美琴の話を遮らなかったと聞いている。
「安心しきって何回か二人で飲んだの。
で、急に何だか告白めいたことを言われて
最初、軽くパニックになっちゃった」
その夜の美琴、きっと可愛かっただろうな。
動揺して混乱する姿なんてレア過ぎる。
「ああ、この人、私のこと好きなんだって
自惚れじゃなく、素直に感じたの。
そこを信じようと思ってね」
学生の頃とは違う、落ち着いた表情の美琴を
やっぱり好きだって思う。
羨ましくて憧れで、すごいなって思うの。
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おはな(プロフ) - mayuさん» mayuさん、楽しみと言って頂けることに安堵しました。そうですよね、素っ気なく離れて行った彼、また近づいてきた彼の真意を書かなくては。時間がかかってしまいそうですけど、またmayuさんに来て頂けるようがんばりますね。 (2021年2月2日 20時) (
レス) id: 4a84da09b3 (このIDを非表示/違反報告)
おはな(プロフ) - さる子さん» さる子さん、こちらこそ感謝の気持ちでいっぱいです。テンポよく更新できていた頃の感覚がなくて、愚痴の様なコメントを残してしまいました。彼の真意に辿りつくまで、しっかり書いていきますね。ありがとうございました。 (2021年2月2日 20時) (レス) id: 4a84da09b3 (このIDを非表示/違反報告)
おはな(プロフ) - たまりんさん» たまりんさん、少しペースは落ちているところ、コメントを頂きありがとうございます。彼の行動の一つ一つに意味があり狙いがあり、気持ちがあるのはもちろんです。それを何とかお話に乗せられるよう頑張りますね。 (2021年2月2日 20時) (レス) id: 4a84da09b3 (このIDを非表示/違反報告)
mayu(プロフ) - おはなさんの書くお話、言葉も、繊細な心の動きも丁寧に書かれていて、面白いです。翔くんは一体どうしたいのか続きが楽しみです！ (2021年1月31日 9時) (レス) id: 862aa3f0aa (このIDを非表示/違反報告)
さる子(プロフ) - ぜんぜん！がっかりなんて！楽しみにお待ちしておりました。おはなさんのペースで更新してけだされば。彼の真意を想像しながらまっていますので。更新に感謝です。 (2021年1月31日 2時) (レス) id: eb4a575f23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おはな
| 作成日時：2020年12月25日 23時
