それだけ ページ26
選択肢は、いくつかある。
１応じない
２宅配ボックスに入れてもらう
３エントランスで受け取る
４私の部屋の前で受け取る
５部屋に招く
考えている間にもインターホンは鳴り続ける。
携帯にメッセージも送られて来る。
−頼むよ、A、悪かったって。
お願いだから返事して、本当、頼む−
私だってバッグを返してって思っているわ。
問題は、その受け取り方法なのよ、
ちゃんと提案しなさいよね。
−で、どうしたいの？−
素っ気なく、ただ翔くんの気持ちを探る。
メッセージは来なくて、着信が増えていく。
こういう時、少し苛立って強引になるの、
全然変わってないのね。
つまり成長していないってことよ、でしょ？
私からは、絶対に折れないって決めてるの。
そもそもあなたが奪ったバッグなんだから、
どうするかは自分で決めたらいいじゃない。
会話なんて私には必要ないわ。
インターホンも立て続けに鳴っている。
お茶が冷めた頃、仕方なしにもう一度、
あなたにメッセージを送った。
−どうしたいのか示して−
少しの間を開けて届いた返信に固まる。
−Aと話したい、それだけだ−
私と話す？何を？
−何でもいいんだ、話したい−
何でもいいって、どういうこと？
現実、普通の会社員なら明日はお仕事で
あまり遅くはなれないだろう。
私は、午後から教室に出るだけだから
別に構わないと言えば構わないけど、
そろそろ折り合いをつけないといけない。
もう何度目だろう、数え切れないほど鳴った
インターホンに出ることにする。
だって私が動かないとあなたが困るのよね、
もう充分困ったのよね。
それなら、まあ、いいかしらと思って。
「分かった、今、降りるわ」
安堵して掠れた声が機械から聞こえる。
「良かった、ありがとう、ごめんな」
ロングのダウンコートを羽織る指が
少し震える。
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おはな(プロフ) - mayuさん» mayuさん、楽しみと言って頂けることに安堵しました。そうですよね、素っ気なく離れて行った彼、また近づいてきた彼の真意を書かなくては。時間がかかってしまいそうですけど、またmayuさんに来て頂けるようがんばりますね。 (2021年2月2日 20時) (
レス) id: 4a84da09b3 (このIDを非表示/違反報告)
おはな(プロフ) - さる子さん» さる子さん、こちらこそ感謝の気持ちでいっぱいです。テンポよく更新できていた頃の感覚がなくて、愚痴の様なコメントを残してしまいました。彼の真意に辿りつくまで、しっかり書いていきますね。ありがとうございました。 (2021年2月2日 20時) (レス) id: 4a84da09b3 (このIDを非表示/違反報告)
おはな(プロフ) - たまりんさん» たまりんさん、少しペースは落ちているところ、コメントを頂きありがとうございます。彼の行動の一つ一つに意味があり狙いがあり、気持ちがあるのはもちろんです。それを何とかお話に乗せられるよう頑張りますね。 (2021年2月2日 20時) (レス) id: 4a84da09b3 (このIDを非表示/違反報告)
mayu(プロフ) - おはなさんの書くお話、言葉も、繊細な心の動きも丁寧に書かれていて、面白いです。翔くんは一体どうしたいのか続きが楽しみです！ (2021年1月31日 9時) (レス) id: 862aa3f0aa (このIDを非表示/違反報告)
さる子(プロフ) - ぜんぜん！がっかりなんて！楽しみにお待ちしておりました。おはなさんのペースで更新してけだされば。彼の真意を想像しながらまっていますので。更新に感謝です。 (2021年1月31日 2時) (レス) id: eb4a575f23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おはな
| 作成日時：2020年12月25日 23時
