贅沢 ページ32
「ねえ、急に来てくれたのって
何か予定が変わったの？」
熱いって言いながら、
もう半分食べちゃってる翔さんに
改めて聞いてみた。
「ああ、それね。
びっくりのお返しと言うか
小さなサプライズと言うか。
この前、Aが突然来てくれたのが
俺なりにすごく嬉しかったからさ。
まあ、なんつうか、おすそわけ的な？」
そうなんだ。
急に長野に行ったこと、嬉しいって
思ってくれてたんだ。
「えっと、私も今日、すごく嬉しかった。
それに危機一髪って感じで助かったし。
翔さんってやっぱりカッコいい」
「だろ？案外、そうなんだよ」
照れてるくせにドヤ顔でキメて見せる。
二人並んでスーパーでお買い物して
翔さんのお部屋に帰る。
駐車場からは決定事項の通りに
指を絡めて手を繋いで、
それをぶんぶん振りながら歩いた。
楽しい。
長野に行く前には、毎日がこうだった。
なんて贅沢でかけがえのない時間だったんだろう。
冬が近づいた空に光る月。
星も近い。
「こっちに戻ったらさ、
また毎日こうやって二人で歩けるな。
贅沢な時間だよね」
今、私が想っていたことが
翔さんの声で聞こえる。
やだ、もう。泣ける。
返事なんてできないし。
涙を堪えようと顔を上げたら
逆効果でぽろぽろと頬を伝う。
気取られたくなくて、口をぎゅっと結ぶ。
深呼吸して逃す。
でも、でも、だめだ。
立ち止まってしまった。
繋いだ手が伸びて解けそうになる。
「A？どうした？」
振り向いて私を見た翔さんの目が
みるみる大きく丸くなる。
「何？何だ、どうした、ええ？」
解けた左の手で私の頭を緩く抱いて
額がジャケットのボタンに当る。
襟の所を掴む。
翔さんのちょっと甘い香りが記憶を呼んで
えっと、色んな記憶を呼んで胸が震える。
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おはな(プロフ) - いちこさん» いちこさん、いつもコメントをありがとうございます。本当にね、最近の彼はヤバいですよね。大人で紳士でクレバー、少し天然。魅力が大爆発で悶える毎日です。妄想を越えてくるので、大混乱してしまってます。何とか近々更新しますので、またお越しくださいね。 (2018年11月2日 18時) (
レス) id: 4a84da09b3 (このIDを非表示/違反報告)
おはな(プロフ) - ささたくさん» ささたくさん、コメントありがとうございます。幸せな時間をお届けできて良かったです。甘くて穏やかで、ほんの少しだけビターな会話、楽しんで頂けたでしょうか。こなれていく関係性を表せていたらいいなあと思っています。 (2018年11月2日 18時) (レス) id: 4a84da09b3 (このIDを非表示/違反報告)
おはな(プロフ) - mikkyさん» mikkyさん、コメントありがとうございます。過去は変わらないですからね、囚われる時間は短い方が良いに決まってます。乗り越えて飲み込んで、この夜は抱き合っちゃえばいいんだと思います。ツアー前のビジュアルに身悶えする秋です。御身お大事に。 (2018年11月2日 18時) (レス) id: 4a84da09b3 (このIDを非表示/違反報告)
いちこ(プロフ) - 毎週土曜日はそわそわしています。笑 長野を乗り越えた主人公の涙にグッときました。しやがれはかわいいの連続でしたね。耳コピの際の出来た？って表情が櫻井先生を連想させてくれて身悶えておりました(低燃費)またの更新を楽しみに好きを募らせていきたいです。 (2018年10月28日 21時) (レス) id: 310e6be90d (このIDを非表示/違反報告)
ささたく(プロフ) - なんのかんの、星月先生に甘々な櫻井先生ですよね。困った顔も素敵なんでしょう。想像だけで私も幸せです。こちらでもテレビでも翻弄されて、満足の週末です。 (2018年10月28日 15時) (レス) id: 0cad052d81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おはな
| 作成日時：2018年9月15日 0時
