転生後の弟が推しだったから愛でたらヤンデレ化した【糸師兄弟】

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帰ってから、一応部屋の掃除をしていると、隣の部屋から大きな音がした。凛ちゃんがトロフィーや写真を落としたのだろう。原作通りを望んだのは自分なのに、なんか辛くなってきた。
ちなみに、私が中学校入学まで三人で同じ部屋を使っていたのだが、母さんに「いくら仲が良くても部屋は分ける」と言われてしまい、今では別の部屋で過ごしている。




「…凛ちゃん？」




恐る恐る部屋に入ると、パッと凛ちゃんは私の方を見た。


やば、部屋に入ったのは良いけど私知らないフリしないとだめだよね？でも「冴ちゃんと何かあった？」とか聞いたら私死ぬ気がするんだけど。そもそも部屋に入るべきじゃなかった？え、待ってどうしよ。

そんな私の考えとは裏腹に、凛ちゃんは少しも怒る事なく、それどころか自ら私の方へ歩み寄ってきた。




「姉ちゃん…」

「何？凛ちゃん」




できる限り優しく小さめの声で凛ちゃんの名前を呼ぶ。すると、凛ちゃんは私の首に腕を回し縋りついてきた。

いつからか、身長も抜かされてしまった。大きくて頼りがいのある手。顔も昔のような幼さなんて微塵もなく、もうすっかり一人の青年となっていた。
おかしいな、ずっと一緒にいるはずなんだけど。この前、一緒に鮭茶漬け食べた時こんな男らしかったっけ…？


疑問に思っていると、凛ちゃんが片手で私の頬を掴み強制的に凛ちゃんの方を向けられる。




「凛ちゃん…？どうしたの？」

「なにあいつの事考えてんだよ」

「え？」

「姉ちゃんまで俺の事見捨てんのか？」




突然、原作とは程遠いキャラの行動と発言をする2推しに戸惑う。私冴ちゃんの事考えてないけど？「凛ちゃん大きくなったな〜」しか考えてないんだけど？

否定をしない私に腹を立てたのか、私の頬を掴む凛ちゃんの力が強くなる。




「否定しねぇのか」

「結局、姉ちゃんもあいつしか見てねぇんだろ？」

「姉ちゃんが誘拐されそうな時も、俺は何もできずにあいつの後ろにいただけの役立たずだった」

「あいつとは双子だから、何か分かり合えるところがあるのかもしれねぇけど、それでも気に入らねぇ」

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