06-ナイトスノウ ページ10
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凛ちゃんが日本一になってから数日。いよいよ、明日冴ちゃんが家に帰って来る。
今は、学校で自主練している凛ちゃんをただただ眺めているところだ。うん、我が弟ながらかっこいい。
「あー、楽しみ過ぎて今から死にそう」
「姉ちゃん、本当に兄ちゃんの事好きだよな」
「大好きに決まってるじゃん!」
今更だが、私の前世の最推しは冴ちゃんだ。だって、幼少期のあの前髪ヤバくない!?初めて見た時「パッツンが似合う男っているんだぁ」って感心しちゃったよ!!しかも、サッカーめっちゃ上手だしツンデレだし凛ちゃんより背低いのも萌え…。
ちなみに二推しが凛ちゃんで、三推しがカイザー。まあ皆大好きだけど!
「…俺は?」
「え?」
「俺の事、好きじゃない?」
待ってヤバい、二推しの破壊力で死にそう。何だそのきゅるんきゅるんな表情。女子?え、私の弟って弟じゃなくて妹だった?可愛過ぎてキレたい気分なんだけど。
なんだか、子犬の耳と垂れ下がっているしっぽまで見えてきた。
そんな二推しを見て、黙っていられる程私は人間としてできていない。
すぐさま、サッカーボールを片手に落ち込んでいる凛ちゃんに抱きつき、思う存分愛を伝える。
「何言ってるの!凛ちゃんも大好きだよ!冴ちゃんも凛ちゃんも、私にとって超大事な弟だからね!!」
「ちょ、姉ちゃん近い…」
二推しが照れてる。実の姉相手にそんなに照れる事ができるんだね。ピュアじゃんかわいい。サンタさんの事信じてそうだし当たり前か。
ふと、頬に冷たい何かが触れる。
「あ…雪」
凛ちゃんが口にすると共に、あのできごとを思い出した。
そういえば、冴ちゃん予定より一日早く帰国して来たんだっけ。え、じゃあもうすぐ凛ちゃんと会う感じ?それならヤバい!
「ごめん凛ちゃん!私そろそろ帰るね!」
「え?」
「あー、ほら!冴ちゃんが帰って来るから、私の部屋掃除しとかないと!」
無理がある言い訳を告げ、凛ちゃんに謝りながら足早に学校から去る。
突然離れた私に余程ショックを受けたのか、私の言葉に返事してなかったけど。
凛ちゃんへの申し訳なさと、これから起こる事の苦しみで胸が張り裂けそうだ。でも私があの場にいたら、私も巻き込まれて決別しそうだし。そうなったら冴ちゃんを支えられない気がする。
悔しいけど、私にはそれしか道がないんだ。
雪のカーペットの上を、私は何かから逃げるようにしてひたすら走った。
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Edisa(プロフ) - 続き見たいです! (4月8日 0時) (レス) @page24 id: 7c18e46756 (このIDを非表示/違反報告)
NONAME(プロフ) - ヤンデレ凛ちゃん最高過ぎる!!更新楽しみに待ってます! (12月5日 20時) (レス) @page23 id: 2ae7d2d5c3 (このIDを非表示/違反報告)
まったり団子 - ヤンデレ!いい!私もヤンデレ系書こうと思ってるので参考にさせてもらえると嬉しいです! (12月1日 20時) (レス) id: f793216af5 (このIDを非表示/違反報告)
雪女 - 更新楽しみにしてます(●︎´▽︎`●︎) (7月19日 13時) (レス) id: 6c1d2855e5 (このIDを非表示/違反報告)
マシュ(プロフ) - 久しぶりの更新嬉しいです!!大好きな作品なのでずっと待ってます!!無理しない程度に頑張って下さい! (2023年4月23日 21時) (レス) id: 94c7c88031 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りよ | 作成日時:2023年3月27日 16時