♯3 ページ31
「…クッキー……」
「口に合うかわかりませんけど」
.
土方さんは、しばらくだんまりで。
そのあと、はぁー、と小さくため息をつかれてしまった
.
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「土方さ…、」
「いらねェ」
「………え?」
.
つき返された包み紙
目もあわせてくれない、
…途端にそっけなくなったその態度に
目を白黒させてしまう。
.
「…人質を助けて犯人共を鎮圧すんのは警察の仕事だ
俺は形式的なことをしたまでだ
テメェに感謝される義理はねェ
それ受け取って、周りに変な誤解でもされちゃ困るしな」
.
ズキン、といつもと違う、心地の悪い胸の痛み
.
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「変な、誤解…そう、ですよね」
すみません、と謝って。笑ったはずではあるが。
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「……わかったんならもう帰れ。
またさらわれてェのか」
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ぶっきらぼうで、冷徹に。
…それでも、最後の…ーーーやはり心配を
含んだその物言いはずるい。
いつもよりも数段鋭い眼光に睨まれ
体が固まってしまったけれど。
.
.
「……はい。」
.
その返事を聞けば、その後は何も言わず
屯所に消えていった
.
一人取り残されて、呆然と立ち尽くしていた。
.
.
.
「きっつー……」
.
この気持ちに気づいたあとだからこそ
余計につらく、苦しいのだ。
手のひらにおさまったその包み紙に、ぽつりと
しずくが一つ、舞い落ちた
.
……そりゃあね。相手になんてされるわけないって
わかってたけどさ。
.
.
.
.
「−−−−−……あり?あんた確か…」
.
後ろから聞こえた声に振り返れば、
「……沖田さん」
.
あのバズーカ青年
.
「あんた…まさか泣いてんですかィ」
「え!や…そんなことは」
.
目じりにたまった涙を慌ててすくう
.
.
「あー…もしかして土方コノヤローに何か
されやしたか」
「……別に、」
「わっかりやすー」
.
返す言葉もない、と。
わかりやすいなんていわれなれてる
.
.
「なるほど。まさかと思ってたが
………あんた、野郎に惚れてんだねィ」
「それは……」
「そりゃまた、大層な物件選んだもんでィ」
お勧めできねェっつったろィ、と。
.
呆れ気味にいうその人に目線を動かして
力なく微笑んだ。
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シュシュ(プロフ) - ライラックさん» ありがとうございます!精一杯がんばります! (2014年12月27日 19時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ(プロフ) - ライラックさん» そうなんですか!?…あ、もしかしたら私もかもっ…。でもとりあえずおめでとうごさいます!ということで。笑 (2014年12月27日 9時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
ライラック(プロフ) - この小説面白いです!!更新頑張ってください! (2014年12月27日 9時) (レス) id: 15e1b5e5df (このIDを非表示/違反報告)
ライラック(プロフ) - 銀魂アニメ再開嬉しいです!!私の地域で見れないけど多分… (2014年12月27日 9時) (レス) id: 15e1b5e5df (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ(プロフ) - 恋狂さん» 私も母にビックニュース!!って叫びながら報告しました!笑 スポンサーについてくださった勇気のある人たちに感謝です (2014年12月26日 15時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュシュ | 作者ホームページ:
作成日時:2014年12月16日 22時