♯2 ページ30
ー土方サイドー
「……んで」
何か用か、と前に立ちすくむ女に声をかけた
市中見回りから帰ってきた俺は
門前でつい最近見たばかりの姿を見つけたわけだ
.
.
「先日はありがとうございました。
…お借りしたままだったので、上着」
にこり、と上品に微笑んだそいつは
ひとつの紙袋を掲げて見せた
すぐに、そういや上着かぶせたっけか、と
思い出して。
.
「……そのためにわざわざ来たのか」
「はい。」
「…ったく、」
どこまでも純粋に笑顔を崩さない如月に
軽くため息をついた
.
「…もしかして、私お仕事の邪魔しちゃいましたか?」
「…いや、そういう意味じゃねぇ」
そうではなくて。
「…仕事柄、服ダメにすんのは日常茶飯事なんでな。
ストックは腐る程あんだよ。
律儀に返しに来てもらわなくてもよかったんだ」
.
万事屋と屯所は近距離というわけでなく。
しかもこんな日暮れどきに1人で来るたァ
この前の事件のことを忘れたのかこいつは。
「捨てろというんですか」
「別にそれでも構わねーよ。お前が着るわけにもいかねェし…」
「だめですよ。ものを粗末にしちゃ」
「…は?」
突然聞こえたオカン的発言に、強い語調
ぽかん、としていれば。
.
「物はちゃんと大切に」
その後に柔らかく微笑んだそいつに
……なぜ、"あいつ"が重なるのだろう。
.
.
「…わかった。すまねーな」
紙袋をうけとり、それじゃあ、と
声をかけた。
.
「ーーーあ、ストップ、土方さん」
「あ?」
.
思い出したような声
「忘れるところだった。……これ、どうぞ」
「…なんだ、これ」
渡された、女の好きそうな可愛い小さな包み紙
クッキーですよ、と如月は答えた。
.
「焼いてみたんです」
.
そいつの頬が、ほんのりと赤くそまったきがした
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シュシュ(プロフ) - ライラックさん» ありがとうございます!精一杯がんばります! (2014年12月27日 19時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ(プロフ) - ライラックさん» そうなんですか!?…あ、もしかしたら私もかもっ…。でもとりあえずおめでとうごさいます!ということで。笑 (2014年12月27日 9時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
ライラック(プロフ) - この小説面白いです!!更新頑張ってください! (2014年12月27日 9時) (レス) id: 15e1b5e5df (このIDを非表示/違反報告)
ライラック(プロフ) - 銀魂アニメ再開嬉しいです!!私の地域で見れないけど多分… (2014年12月27日 9時) (レス) id: 15e1b5e5df (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ(プロフ) - 恋狂さん» 私も母にビックニュース!!って叫びながら報告しました!笑 スポンサーについてくださった勇気のある人たちに感謝です (2014年12月26日 15時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュシュ | 作者ホームページ:
作成日時:2014年12月16日 22時