【銀魂】うまく生きる為の方法

聖剣 ページ33

朝目覚めてびっくりしたのは、
昨日の記憶が、割と鮮明に残っているということ。

ガンガンと鳴り響くアルコール頭痛や、
腹を底から押し上げてくる吐き気ももちろん全開だ





「・・・・また、やっちまったァァァ！！」



また、あの野郎の魔の手に引っかかってしまった。

くそったれ！どうしてああも人の中身を引きずり出すのが上手いのか。いや、引きずり出されたというより、自らぶちまけたというほうがしっくりくるな

・・いやそれ余計にダメじゃん！


頭を抱えた。こんな失態は2度とやるまいと
誓ったのに。どうにも、私の飲酒には
学習能力というものがないらしい。


こうなったら、坂田銀時の頭をかち割って、
記憶中枢をリセットさせるほかない。

なんて、できるわけもなく。ただベッドの上で
項垂れる。これほどまでに目覚めが悪いことが
あるだろうか。




(ッ、いかん、このままでは気持ちが沈むだけだ)



頭を冷静に戻すためには、シャワーでも浴びるか。
いまだ頭痛と吐き気がおさまらない重い体を
引きずって、なんとか洗面台までたどり着いたのだが、ーーーん？待てよ。








(・・・なぜ、浴室から水の流れる音が？)






これはもしや二日酔いによっておこる幻聴なのか。
いやいや、そんなはずはない。私の意識は完璧に
覚醒している。シャーという水音が、浴室特有の
反響を持っていることは、明らかである。


嫌な汗が首筋を伝う。つまり、なんだ？



一人暮らしである私の家で、私以外がシャワーを
使っていいはずがなく。ましてや、無断で家に
足を踏み入れていいわけがない。




(・・・・ふ、ふふ不審者？)



大変だ！一大事だ！
咄嗟に手にしたのは、洗濯機のそばに置いていた
デッキブラシである。これならば長さもあるし、
ここから出てきた泥棒を一撃で仕留めることも
わけないだろう。

女の家に不法侵入なんて、アンナコトやコンナコト
を企んでいることが容易に想像できる。そりゃ私ほどの美貌の持ち主を前にして盛らないというのは
雄としてどうかと思うし。ーーでも、残念ながら
私もおとなしく襲わせてやることはできないのだ。
許してくれ、そこの雄よ。



デッキブラシを構えて少し、水音が止んだ。
いよいよである。ごくり、喉を鳴らした私を前に
扉がゆっくりと開いた。





「かくごォォォォ！！」

「ーーぶべっ！？」




そうして振り下ろした聖剣(デッキブラシ)は
不審者の頭部にクリティカルヒットしたのだった

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