【銀魂】可もなく不可もなく

大歓迎 ページ35

ほとんど万事屋さんの貸切みたいな状態の店内。・・一体なぜこんなことに？



いくら考えても、私が思わずいれてしまった銀さん
へのフォローも、何やらとんでもない勘違いをして
いるらしい神楽ちゃんを止めることもできない。

元凶である店長はしてやったりな顔で洗い物を
続けるし。







「ーーーで、銀ちゃんの素敵な部分ってどこネ」

「え？」

「このマダオに残った善部の残りカスのことヨ」
「おいそれどういう意味だコラ」





善部の残りカスとはひどい言われよう。
ダメなところしかないということか。まあ、給料の
未払い等酷い仕打ちを受けているらしい神楽ちゃんにとっては、その認識になるのだろう。





「・・えーっと、それ言わなきゃダメですか？」

「つべこべ言わずに早く白状するヨロシ」




いや何この子。
どう考えても子供とは思えない物言いと威圧感。
ほとんど脅しのような雰囲気を醸し出す神楽ちゃんに、苦笑いを漏らす。

新八くんは諦めて定食を食べ始めた。
もう救いはない。




「ったく、ガキってのァ男女がつるむとすぐ青臭ェ
モンに繋げたがるんだからよ。ほっとけほっとけ。
ーーで、銀さんのいいとこってどこだよ言ってみ」

「え、結局聞く気満々ですか」

「褒め言葉なら大歓迎だ」





さすが普段貶され続けた成れの果て・・とは
言い過ぎだろうか。とにもかくにも、ニヤニヤと
期待によるワクワクを隠せないらしい銀さんは
私が褒め始めるのを今か今かと待ち構えている。

新八くんも、口を動かしながらも、耳をこちらに
傾けているのが伝わってくるのだ。もう私には
白状するより他に道はないらしい。ということで、







「えっと、まずですね____、」





脇に抱えたお盆を、近くのカウンターにそっと置き
一息入れた私は、仕方なく口を開いた。

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