【銀魂】可もなく不可もなく

最上級に格上げ ページ4

庭に続く縁側に腰をかけ、お茶をすする私の目の前では、草をむしる万事屋さん一行。




ーーーこうして家を掃除してもらうのは、
実は初めてではない。




「・・すんげー量の草だな。いつから放置してた」

「知りませんよ、数えてませんからね。でも多分
一年ちょっとは確実です」




掃除。苦手分野である。
ある程度家の中を片付けることはできるが、
例えば、隅々まで綺麗に、とか。
今回のように、庭掃除、とか。

どの家でも、年末に一度掃除するかしないかという
細かい場所に関しては、私のスキルでは到底綺麗に
できそうにない。




ーーーということで、一週間ないし二週間に一度、
この万事屋さんに依頼し、家を掃除してもらって
いる次第である。今回でちょうど5回目を数える。







「すごいヨ！ベッド作れそうアル！」

「あーもう神楽ちゃん寝転がっちゃだめだよ！
土がついちゃうよ！」

「ほっとけ新八。あわよくばここに埋めて帰るぞ」


「あの、家主がここにいるんですけど」




まあこの万事屋の面々というのが多少いやかなり
癖の強いところがあって。そこが面白く親しみやすいと言ってしまえば聞こえはいいが。


従業員の抹殺を画すこの男を筆頭に、
後の二人も私から見ればかなりの変わり者である。









「ーーーうし、粗方片付いたか」

「お、ご苦労様です」





三人が背伸びをしながら立ち上がったのは、
それから数時間後。小説から顔を上げた私は、
すっかり見晴らしの良くなった庭を見渡す。

今回の成果である草が、隅に積み上げられていた。





「助かりました。はい、今日の料金で____、」
「うおっしゃぁぁあ！！これでドックフードと
おさらばだ！！」


「一瞬のうちに金が消えた」




この人たちの金への執念については
重々承知している。まあ、毎日ドッグフードと
卵かけご飯で過ごしてきたらしいその人たちに
それ以上の辛辣な言葉はかけられず。

袋をもぎ取られた手をさすりながら、
「ありがとうございました」と告げる。







「ーーーあと、これ差し上げます。うちの実家、
農家なんですけど、先日なぜかじゃがいもが
大量に届いたので」


「・・・え、まじで？何？天使なの女神なの」
「違うヨ銀ちゃん。女王様アル」
「いやそれ地位下がってない神楽ちゃん」







「「「ーーー神様！」」」




さて、私が人間から神様に格上げされたところで、
本日はお開きとなった。

普通→←設定

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す