【銀魂】可もなく不可もなく

こわっ！！！ ページ17

ー銀時サイドー




二週間に一度入るか入らないかという頻度の
Aの依頼だが、今回は以前とそこまで日にちを
空けることなく飛び込んできた電話。

ペンキで部屋中汚しでもしたか、と
その家を訪ねた俺は、






「ーーナニコレ」



通されたリビングで苦笑した。





「いやー、ホント自分でもびっくりです」




何ともないようにいうが、大惨事だ。

いつも簡素に整頓されているはずの空間は、
ーーーあらゆる本という本に埋め尽くされていた。


いつも通り本棚にぎっしり、まではいい。

おまけに床にこんもり、机やソファの上にぐっつり
つまるところ本だらけ





「実は、本棚から溢れて倉庫に眠ってもらってた
本たちなんですけど、・・いい加減整理しなきゃな
と思いまして」

「つまり？」

「今日はこの整理を手伝って欲しいんです」



確かに、読書が好きだとは聞いていた。
それ聞いていつも通り「こいつ無難だなぁ」なんて
軽く感想を抱いたりしていたが、ーーまさか、




(・・読んでる量が人並み以上)



こんなところで非凡性を発揮するなんざ。
爆発するようなそれじゃねーが、なんだろうか、
地味にすごいとでもいうべきなのか。


本の山を、愛おしそうに撫でるそいつは、
お願いしますね、と笑う。







「・・今日は一人でいいって言わなかったか？」

「はい。手伝ってくださるのは一人で十分です」

「この量で？」

「楽勝です」

「どんくらいかかる予定？」

「4時間程度でしょうか」




集中したらそれくらいあっと言う間なんだとか。


・・読書家こわっ！！！集中力こわっ！！！
4時間が一気にぶっ飛ぶ集中って何！？

ーー変？→←一理ある

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す