【銀魂】闇に酔う悪魔

一理ある ページ25

ー土方サイドー


最後に遊郭を訪れて3日後。
寒さが厳しい今日、俺はいつも通り仕事に
明け暮れていた。






「ーーー大友は何かゲロったか」

「それがてんでダメなんでさァ。何聞いても
ウンともすんとも言わねェ」




先日しょっぴいた大友総二郎。
裏ルートからの武器売買を活発に行なっていたと
なれば、芋づる式にその全貌も明らかになると
踏んでいたが、・・容易いと思っていた大友が
思いの外粘っているらしく。






「その武器売買のルート、絶対ェ突き止めなきゃ
なんねェ理由でもあるんですかィ？」

「鉄は熱いうちに打てってな。時間が経てば
犯人側も対策を練ってくる。この機会にまとめて
袋叩きにしときゃ後が楽だろ」

「そりゃ相手が小物だったときの話でィ」




確かに、売買ルートに関しては、全く情報がなく
小規模か大規模かもわかっていない段階だ。
こっちの手中にある大友から話が聞き出せれば
下手な調査の必要もなく、都合がいい。





「こちとら働きづめでフラフラなんでィ。
ちったぁ非番取ってくれてもいいでしょ」

「どの口が言ってんだ！今朝も稽古サボって
寝腐ってただろうが！」


「あーあー、やれやれ、このまんまじゃ真選組も
ブラック企業まっしぐらですねィ」

「聞け！」





確かに、度重なる仕事の波に押され、隊士たちが
疲れを見せ始めているのは事実である。

もう少し目処が立てば、まとまった休みを与えて
やってもいいかもしれない。







「あんたは夜中ちゃっかりシッポリやってるみてェ
ですし？何も溜まっちゃいねェんでしょうがね」


「ッ、ぶほ！？・・おま、何言って、」

「あり？例の遊郭に入り浸ってるんですよね」


「・・っふざけたこと抜かしてんじゃねーぞ」

「ふざけるも何も、事実を述べてるだけでさァ。
まあでも、恥ずかしがることじゃありやせんて。
男は溜まるモンですし、例え行きつけが裏の世界に 通じた違法遊郭でも？そこに天下の真選組副長が
通っていたとしても？それは誰が責めることもできませ・・、」

「あーわかったよ！！！とにかく黙れ！！」




こいつから逃げることは不可能なのだろうか。
心底楽しそうに黒く微笑む総悟を見ていると、
観念の二文字しか浮かばない。








「・・・ったく、これだから下手に鋭い奴ってのァ
厄介なんだよ」


「あんたの詰めが甘ェんですよ」





確かに、それも一理あるかもしれねェが。

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