オネエ 23話 ページ26
鳴上side
なんなんだよ。
遠藤が転入してきてから、Aの雰囲気がどことなく変わった気がしていた。
毎日毎日様子を見ていたら、不意にAの視線が遠藤に向いているのがわかった。
日が経つにつれてAは遠藤が好きで、俺のこともう好きじゃないんじゃないか、いや、そもそも好きではなかったんじゃないかと思い始めた。
そして、この前決定的なところを見てしまった。
遠藤がAにでこチューしているところだ。
さらに遠藤の告白。
Aは頬を紅く染めて、何も言わなかった。
なんで否定してくれなかったの?
遠藤が好きなの?見てればわかるよ。
「は?」
Aに別れ話を切り出した後、何故か瀬名からの呼び出しがあったから、この話をした。
何でも話せるのがこいつしかいなかったから。
「いや、ただの嫉妬じゃん。」
「…嫉妬?」
アンタバカなの?と驚き、そして軽蔑するような目で見てくる瀬名。
「Aの気持ちとか、考えて言ってんの?それ。」
「気持ち…」
「は、ちょ、それなのに1人でキレて、別れ話なんかしたの…?」
俺はコクっと頷く。
瀬名のため息と同時に、冷たい視線が投げられた。
「どんだけ自分勝手なんだよ。」
「…え?」
「Aはさぁ、ナルくんに嫌われたぁって言って泣きながら俺のところに来たんだよ!?
遠藤とかいう小僧にデコちゅー&告白されたのも、小僧の一方的な想いなの!
Aは今、アンタのことしか見てないんだよ!?
その想いも踏みにじっちゃうの?バカじゃん。」
「…!」
…確かに、今思えばAを信用していなかった俺の方がダメな人間だった。
「これ以上Aを傷つけるようなことがあれば容赦しないから。
誤解は解いたからね。あとはナルくんに任せるよ。
でも…」
そう言って瀬名は俺の肩に片手を置き、すれ違いざまにこう言った。
「迷ってたら、俺が取っちゃうからねぇ?」
そして部屋を出ていく。
残された俺は、今、自分が何をしたらいいのかわからなかった。
「もう、ほんと…」
バカみたい。
173人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
yuiki(プロフ) - @ながしん@さん» 今はまだまだ出せてないですけど、これからどんどん出していくつもりです!ありがとうございます! (2018年4月19日 20時) (レス) id: ecc4c0e98e (このIDを非表示/違反報告)
@ながしん@(プロフ) - 男らしい嵐待ってました!更新楽しみにしています(>_<)頑張ってください! (2018年4月19日 6時) (レス) id: 1ec9a70f31 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Yuiki | 作成日時:2018年3月10日 16時