好き好き症候群【Knights】 (ページ6)

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5 お菓子ページ6

「疲れたねぇー」

レッスン後、のほほんと花を舞わせるAと息も絶え絶えな俺たち。ちょっと、厳しすぎでしょ……！

「お疲れ様の皆に、ご褒美だよォ。飴ちゃんとクッキーどっちがいーい？」

Aがバッグから取り出したのは可愛らしくラッピングされた飴とクッキー。あれ、最近話題の店のやつじゃん……。かなり人気で滅多に買えないって聞いてたんだけど。

「Aちゃん、それどうやって手に入れたの！？」

「これ？ママが、お友達から貰ったんだってー。ママ、甘いの苦手だから私が貰ったのォ。食べる？」

「頂きたいです！！」

1番に反応したのはかさくん。さっきまで死んでたのに、もう目がキラキラしている。単純だねぇ。

「セッちゃんはどうするぅ？やっぱり食べない？」

「そんな悲しそうな顔で見ないでくれるぅ？……飴なら、貰ってあげても良いけどぉ」

「……！ほんと！じゃあ、セッちゃんにはイチゴの飴あげるねぇ！私の1番のお気に入りなんだよ！」

満面の笑みを浮かべてイチ押しだというイチゴの飴を差し出す。ポケットに入れようとすると、期待に満ちた眼差しがグサグサと刺さった。ここで食べろって言うわけぇ！？チョーうざぁいんどけどぉ！

「……はぁ」

包装を剥がして甘い香りのする飴を口に放り込む。コロコロと口の中で転がすと、イチゴ特有の風味と少し甘酸っぱい味が口に広がった。

「……美味しい」

「でしょ！？」

自分が褒められた訳でもないのにAは嬉しそうに顔を綻ばせる。その可愛さに思わず頭を撫でた俺は悪くないと思う。