【黒バス】 君はもう僕のモノだ 【赤司征十郎】 2nd

６１　本当のバカは　（宮野side） ページ14

Aは、オレを許してくれた。

それだけで十分だ。




オレのモノにならなくても、もう…いい。





宮野「…赤司さん、だっけ」


赤司「…何だ」


宮野「聞きそびれたけど、Aと付き合ってんだよな？」


赤司「…ああ」




やっぱりな。

そんな気はしてた。



大体、あんないいタイミングで助けに来るやつが

彼氏じゃなかったら何だよ、って話だよな。




…この人なら、きっと大丈夫だ。





宮野「オレ、今のこと無かったことにしろとは言わない。

偉い人に報告するなりなんなり、気が済むようにしてくれ」


赤司「…それでいいのか？」


宮野「許されることじゃねーだろ、どう考えても。

許してくれたのは、Aがバカみたいに優しいからだってわかってるし」




だから、罪くらいは償う。

あの日のことも、まとめて―――。




赤司「…Aが許したなら、それでいい。

僕は何もされていないしな」


A「征くん…！」




ホッとしたように目を輝かせた。

その顔を見て、赤司さんが微笑む。




赤司「君の言うとおりだな。

Aはバカみたいに優しい。

僕はその優しさと、笑顔を守りたい。…それだけだ」


宮野「…アンタも損な性分だよな」


赤司「まあな。だが、僕はそれでいい」




不満のかけらもないような、明るい表情。



さっきは殺す気でオレを見てたのに、

Aの言葉と行動でここまで態度が変わるなんてな。





大した奴だよ、お前は――。





赤司「早くチームメイトのところに戻るんだ。

探して困り果てていたぞ」


宮野「…そうだな。悪いな、いろいろと」




腰を上げ、並んでいる２人を見据える。



まあ、似合ってるな、オレよりも。




宮野「じゃあな、A」


A「うん、また一緒にバスケしようね！」


宮野「…そうだな」




そして、赤司さんを見た。

Aを見つめ、何か言いたげだった。


その顔を見て、乾いた笑いがこぼれた。





宮野「ハハッ…A、あとが怖いけど頑張れよ」


A「あとって…？」


宮野「オレのせいだけど…胸、見えてるし。

彼氏の前でオレみたいなの許しちゃったらさ、嫉妬ハンパねーよ？」


A「えっ…あ！////」




慌てて両手で覆い隠した。

顔を赤くしてオレを睨む。



宮野「じゃあな」





そう言って更衣室を出た。


…本当のバカはどっちだよ。









―――バーカ。

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