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「近界民はたしかに俺達からたくさんのものを奪いました。ですが……俺はそれでも近界民の事は嫌いではないんです。」
嫌いじゃないって俺何回言ってるんだ。焦り過ぎて文脈おかしいのだが。
しかし、麟児の言葉に林藤さんは驚いた顔をしていた。もしかしたら、俺がボーダーにいるのは近界民を嫌っていだからだと思っていたのかもしれない。
まぁ、別に嘘はついてないしな。俺は嫌いじゃないが好きでもない。向こうにも人はいて俺達のように大切な人たちもいるんだろうが、あの色々破壊してくる近界民は好きではないだけた。
よく言われているアレだ。好きの反対は無関心。俺は妹と家族が無事でいればそれでいい。
「そう、なのか…やっぱり麟児も…」
林藤さんはボソリと呟いた後、笑って麟児を見た。
「いきなり言って悪かったな。驚いただろ。」
「…はい」
朗らかな顔になった林藤さんは、笑う。
対して麟児は林藤さんに対して警戒心を高めた。この人はずっと笑っているから何か裏があるのか疑うんだよな…
「それで今な、上が揉めてるのは、近界民に対する対応の違いなんだよ。」
「……は?」
待ってこの人なんつった?笑ったまま爆弾落としてくるなよ。さっき一旦緩衝材置いてきたよな?少し間を開けるとかしてくれ。世間話みたいな感覚で続けるな。あと、俺が呼ばれた理由がなんとなく分かったんだが
呆然とする麟児に気づいてるのかも分からず、林藤さんは続ける。
「簡単に言うと派閥が出来てきてるんだよな〜。簡単にいえば、城戸さんは絶対に近界民を倒す派。忍田は街の安全第一派、そして俺達は…」
自分を指差しニカッと笑いながら言う。
「近界民にも仲良いやつがいるから仲良くしようって考えだ。」
「……つまり俺と林藤さん達との考えはほぼ似てますね。」
「おっ!麟児は頭が良いな〜。まぁ、そういうこと。」
麟児は苦虫を噛み潰したような顔になる。林藤さんには分からないかもしれないが、麟児はのこのこ林藤さんに着いてきた事を結構後悔している。
どちらかというと俺は忍田さん派と林藤さん派の間だろうな。
という現実逃避をほんの数秒した後、麟児は林藤さんの本当の目的に大体の当たりをつけた。
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しゅり(プロフ) - 更新ありがとうございます!心待ちにしていました! (4月2日 23時) (レス) id: de8642ea8a (このIDを非表示/違反報告)
エマ(プロフ) - 面白くて一気読みしちゃいました!続きが気になるので作者様のペースで更新頑張って下さい!応援しています! (2月6日 9時) (レス) id: f652d6533b (このIDを非表示/違反報告)
りんか(プロフ) - すごく面白くて続きが楽しみで楽しみで…応援してます!更新頑張ってください! (11月12日 2時) (レス) id: d3fb5e7475 (このIDを非表示/違反報告)
白夜ユキ - すごく面白かったです(((o(*゚▽゚*)o))) ずっと待っているので更新頑張ってください!! 応援しています!(๑•̀ㅂ•́)و✧ (2022年12月10日 22時) (レス) @page11 id: ef5ec06190 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 続きが楽しみです!更新、頑張ってください!応援しています (2022年11月12日 19時) (レス) @page11 id: b758d3b9e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆき | 作成日時:2021年6月13日 9時