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「…………」
秀次が東隊に入ると決めたその日の夕方。麟児は林藤さんに言われた待ち合わせ場所に着いた。
ボーダー本部ではなく少し離れた場所を指定された時は、そんなに聞かれたくない事なのか？と思ったものの、その待ち合わせ場所に近づいていくにつれて段々と冷や汗をかいてきた。
だってここ…
「どこをどう見ても、玉狛支部だよな…」
予想外というか今は行くことが無いと思っていた場所に来てしまった麟児は支部の前で固まったまま動かない。
ここは数年後には妹がお世話になるはずの場所である。本当に原作通りになるのかは麟児がいる限り分からないが、近界民の空閑遊真はこっちに来るだろうしそしたら修や千佳と仲良くなるのは確実だろう。修はともかく、千佳に関しては原作よりは入隊する確率は少なくなったものの、入隊する可能性もある。
ここに呼び出す理由は何なんだ？
「おっ、麟児か。早かったなぁ…」
「林藤さん」
固まったままでいると、後ろから声を掛けられた。林藤さんである事は明白なので特に驚くことでも無い。
「ちょっと待てよ。今鍵開けるからな」
そう言って、林藤さんは鍵をポケットから取り出しガチャガチャと玄関を鳴らした。
「あいたあいた。よし、麟児、入ってくれ」
「……失礼します」
玄関を開けて言った林藤さんはそのまま中へと消えていく。対して麟児は少し迷った後、呟きながら中へと入って行った。
中は思っていたよりも綺麗だった。
ソファもテレビもちゃんと付いているし、少し前までは誰かが住んでいたのかなと思えるくらいの生活感は残っていた。
「んじゃ、そこに座っててくれ」
「あ、はい」
林藤さんに指さされた場所に座った後、麟児はこっそり周りを見る。
座ったソファにも結構長く誰かが座っていたんだろうと思える程には少し傷があり、壁にも沢山の細かい傷が残っている。川の上にそのままあるような設計だが、実物で見ると結構良い作りなんだろうなと思う。
「おまたせ〜。ほい、麟児はコーヒーで良かったよな」
「あ、ありがとうございます」
林藤さんは二つのカップを持ちながらやって来た。一つを麟児に渡し、中を見るとコーヒーの湯気が立ち昇っていた。
麟児は一回落ち着こうとコーヒーを飲む。傍から見ると落ち着いているのだが、結構動揺していた麟児である。
「じゃあ、もう本題に入っていいか？」
コーヒーを机に置いたのを見計らって林藤さんが言う。
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しゅり(プロフ) - 更新ありがとうございます！心待ちにしていました！ (4月2日 23時) (
レス) id: de8642ea8a (このIDを非表示/違反報告)
エマ(プロフ) - 面白くて一気読みしちゃいました！続きが気になるので作者様のペースで更新頑張って下さい！応援しています！ (2月6日 9時) (レス) id: f652d6533b (このIDを非表示/違反報告)
りんか(プロフ) - すごく面白くて続きが楽しみで楽しみで…応援してます！更新頑張ってください！ (11月12日 2時) (レス) id: d3fb5e7475 (このIDを非表示/違反報告)
白夜ユキ - すごく面白かったです(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) ずっと待っているので更新頑張ってください!! 応援しています！(๑•̀ㅂ•́)و✧ (2022年12月10日 22時) (レス) @page11 id: ef5ec06190 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 続きが楽しみです！更新、頑張ってください！応援しています (2022年11月12日 19時) (レス) @page11 id: b758d3b9e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆき | 作成日時：2021年6月13日 9時
