【WT】また晴れる日が来たら3【三輪秀次】

113話目 ページ24

本当に太刀川さんは優しいな、と思う。



今もなにか料理を作ってくれてるし、まあたぶん、いやきっとうどんだろうけど。






私が荒れて、舌打ちしても許してくれた。



よく考えればなんであんなに荒れていたのか、自分でもよく分からない。









だってむしろおまえのおかげだ、ってまあお礼？言われたわけだし、なんでそんなに―――








はあ、とため息をつく。





本当は分かってる。分かってるけど。




また無意識にため息をつこうとした時。







「おーい、ため息ついたら幸せ逃げるぞ〜」


『あー、うん』


「その様子だとまたため息つきそうだな」



はは、と私は苦笑いする。









すると、ブーブー、とスマホが震えた。





『......迅さん...？』


「迅から？なんだろうな」


『うーん、心当たりないなあ。ちょっと出てくる』






そう言って私はベランダに出る。






『もしもし、迅さん？』




《お、A。こんな夜中にごめん。あれ、なんか元気ない？》




『......そんなことないよ、ところでどうしたの？』




《A、明日、時間ある？》




『うん、明日は何も用事は無いかな』




《じゃあ11時にラウンジで待っててくれない？》




『わかった、行きます。ところで......なにかあったの？』




《うーん、ちょっとね、》






『......いや、明日聞く。おやすみ、迅さん』




《うん、おやすみ》







ぴっ、と電話を切る。















なにか、いやな予感がした。

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