【双星の陰陽師】短編集

必然の恋心　鸕宮天馬 ページ9

「ほら」「あ、ありがとうございます」

天馬様からクレープを受け取り財布を取り出そうとしたら断られた

噴水の近くにあるベンチに座りクレープにかぶりつく

さて、何故こうなったのかお浚いしよう

私をナンパしたチャラ男は吹っ飛んだ仲間を見て驚き怯えながら去っていた

なんとも呆気ない男達だ

男達の事は置いておいて問題は今でも私を抱き締めている天馬様

「あ、あの助けて頂きありがとうございます‼」

「別に惚れた女を護るのは男の役目だからな」

「へぇ〜そうなんで‥‥えっ？」

今聞いちゃいけない言葉を聞いた気がする

「お前、あいつの娘だろ？姉の方の」

「お父さんの知り合いって事は陰陽師‥‥てかいい加減離しません？」

「まぁな‥‥ここじゃ目立つな。移動するか」

抱擁から解放されたけど今度は手を繋がれ引っ張られる

よく見れば天馬様は私服だし手は恋人繋ぎだ

これって何気に‥‥

「デートだな」「ほわっ!?」

私の手を引きながら振り返る天馬様の笑みに思わず赤くなる

天馬様に引かれるままに公園に行き丁度露店のクレープ屋があったのでそれを食べる事にしたのだ

で冒頭に戻るわけ

「そう言えばまだ自己紹介してなかったな。俺は鸕宮天馬、天馬でいい」

はい存じておりますよ天馬様

「えっと天馬は何でここに？ろくろ達やお父さんに用事？」

「んん？いいや、ちょっとした私用だ」

ムムッちょっと気になるではないか

最後の一口を食べようとした時クレープを持つ手を天馬様に掴まれそのまま天馬様の口に

「なっ!?」「ん‥‥甘いな」

最後に指を一舐めされ赤くなる私‥‥どこの少女漫画だよ

てか前世も含めて恋愛経験が無いから、うん爆発寸前です

「さて‥‥未央」「何ですか？」

天馬様はベンチから立ち上がり私に手を差し出した

「今日1日、案内頼めるか？」

「ふふっお任せあれ‼」

差し出された手に利き手を置きニコと笑った

今の内に好感度を上げて念願の天繭、もしくは士繭を実現する為に‼

それから島には無いと思われる場所を中心に案内してあっという間に夕方だ

繭良のお迎えも兼ねてろくろ達の家まで送って貰った

「‥‥色々と買って貰って申し訳無いです」

「俺が好きでやった事だ未央が気にする事じゃねぇよ」

マジで天馬様様だよ

「んじゃあな未央。楽しみにしてろよ？」

最後、天馬様は私にキスをして帰っていった

(何突っ立ってるんだぁ〜未央)
(‥‥お父さん、どうしよう)
(？)
(恋、しちゃった)
(あﾞあﾞ？)

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