どうぞ死んできてください。【ハウルの動く城】

暗い ページ12

ハウルの部屋に入ってベッドに入る


「ベッドで寝ていいのかなぁ…」

他に寝る場所ないし


いっか


寝たもん勝ちだこんなん









……とは言ったものの


「ねれない…」



何十分過ぎた？いや一時間くらい過ぎてるかもしれない


なかなか寝れない


慣れない環境だからかな、一人になると思うことがある


寝ても覚めても、もう母も父もいない


会えるのは知ってるキャラクターだけ


そんなのもうどうにもならない、受け入れるしかない


わかってるけど



怖い





「…まだ起きてたの？」


ドアのところにハウルがいた

いつの間に居たのか


「ハウル……あ、ベッドで寝てもよかった？」


「構わないよ


それより寝れない？」


「あー……うん」


大丈夫、私なかなか寝付けないタイプだから、と言うも遮られた


「夢だと思えばいいさ
少し長い夢


いつかは覚めるのが夢だろう？


大丈夫、きっと帰れる」


安心して

と笑う彼はひどく優しい


「……随分、現実味のある夢だね」




「ははっ

確かに



さあ、眠りなさい


明日は早起きなんだ、」



「うん……ありがとう」


お礼を言って瞼を閉じる


なぜか一瞬で意識がきれた









深い闇、不思議な感覚がした


遠くから声が聞こえる




途切れ途切れの声は懐かしい声




「……そ……なっ！！



き……は…き……だっ……たのに！！」



女のひとのこえ


懐かしい、



「い……なり




植物状態だなんて！！！！」




…っ


やけにはっきり聞こえた単語



植物状態、



誰も私のことを言ったとは言っていない


でも



懐かしい声は紛れもなく



「……お母さん」



私の母の声だった。

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