境 界 線 【ybhk】

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薮くんの隣は光くん。
光くんの隣は薮くん。

これは誰もが認めるところで、本人たちが拗らせてるだけで、いつか付き合ったらいいなぁ、と思っていた。
だから二人が付き合うって言ってくれた時、今度は俺の番だ!!と思ったんだよね。

ほら、ヤマちゃんだよ、ヤマちゃん。
ずぅっと前から俺はヤマちゃんのことが好きだった。
楽屋で取っ組み合いの喧嘩をして、薮くんや光くんに叱られていた頃から好きだった。
けどさぁ、ヤマちゃんは繊細で乙女だから、どうやってアプローチしたらいいか分かんなかったんだよね。
あ、別に光くんと比べてどうこうってわけじゃなくて、その、何て言うか、ヤマの方が──ドラマチックな恋愛を望んでるって感じで。
薮くんと光くんの間に、どういう経緯があったのか、俺は知らないよ？
だけど、二人はもうずっと結ばれているように見えて、ごく自然に付き合いだしたように見えたんだよね。

だけど……俺とヤマの場合はそんな感じじゃないでしょ？
こっちから積極的に攻めていかないと、絶対に付き合うとかね、そういう関係にはならないんだよ。

だからね、やぶひかが付き合うって聞いたときね、これはもう俺も本気でヤマちゃんにアタックしないとダメだって覚悟がついたワケ。
そんでね、まぁ俺なりに全力の本気で告白した。
赤いバラ100本って、すんげー重いんだよ？

え？薮くんは光くんに花とかプレゼントしないの？
へぇ、まぁ、そうだろうね。
光くん、そういうの恥ずかしがって死にそうだもんねぇ。

何の話だっけ。
そうそう、告白だよ、告白。

バラの大きな花束持って、ヤマちゃんに告白したら、一度は断られた。
「ちょっと無理」って冷たくあしらわれて。
さすがの俺も心折れたよね……でも、その時、ちょうど腹心の友が留学する時だったでしょ。
そりゃそうだよね。
俺もタイミング悪かった。
だけど、ヤマちゃんに「裕翔はいいやつだよ」って後押ししてくれたのは圭人だったんだよ。
後から聞いた話だけど、「薮くんと光くんみたいに、山ちゃんと裕翔もなれるんじゃないかな」って圭人が言ってくれたらしいんだ。

薮くんと光くんみたいに、なる。

俺とヤマが、実際のところやぶひかみたいになれるかどうか、わかんない。
だけどさ、やっぱり理想なわけよ、やぶひか。
それはヤマのほうも同じで、俺の告白を受けてくれたのは、薮くんと光くんをそばでみていたからだよね。

やぶひか万歳。

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