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そんな中でここまで研究を続けてきた八乙女先生の苦労は、αの俺にはとうてい計り知れないものだろう。
「もちろんです。安心してください」
出来る限りの誠実さを込めて頷くと、ふわっと八乙女先生の口元がほころんだ。
ふっくらした唇が愛らしい。
「薮先生の発表、拝聴いたします。楽しみにしていますね」
八乙女先生は幾度もお辞儀をしながら立ち去った。
やはりレモンの残り香がする気がして、俺は大きく深呼吸した。
そんな俺に伊野尾が声を立てて笑う。
「薮、お前さあ〜、初めてΩのフェロモンに当たったんだろ？」
「そんなわけないさ、研究で何度も扱ってるんだぜ」
「違う違う。診療やラボの中じゃなくて、普通の時に、さ」
ニヤニヤと笑う伊野尾に、仕方なく肯定すると、バンっと強く背中を叩かれた。
｢番のことも、考えておいた方がいいんじゃないか？｣
｢なっ、バカいうな！！｣
｢運命の番のフェロモンって、柑橘系に感じるもんだけど、どうだった〜？｣
ハッとした。
確かに、八乙女先生に感じたのは、レモンの香りだった──。
学会会場の扉を開けた。
何百もの人に埋め尽くされた会場、そんななかで俺は確かにレモンの香りを感じる。
視線の先には、柔らかな微笑みを浮かべた八乙女先生がいる。
キチンと揃えた指先に引き寄せられる。
こういうの、運命っていうのかもしれない。
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しろくま(プロフ) - べすさん» べす様、ひょえ〜勿体ないお褒めの言葉にうち震えております(;´∀｀)リアルのお二人がますます仲睦まじい様子で、妄想も負けずにラブラブさせたいと思っています。ベす様のお話もワクワクしながら読ませていただいていまーす。コメントありがとうございました (2020年4月14日 23時) (
レス) id: 8dcb6e2f50 (このIDを非表示/違反報告)
べす(プロフ) - 完結おめでとうございます。しろくま様の味わいのあるお話は本当に“珠玉”という言葉がぴったりで心惹かれるものばかりでした。これからも何度となくお邪魔して読ませていただきます。また、先日のお優しい返信にとてもホッと致しました（涙） (2020年4月14日 17時) (レス) id: d251bf862e (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - ちちちさん» ちちち様〜、こんな時こそ脳内妄想で「もっとアドレナリン」です！自己生産しかない(笑)健康一番、オタ活二番で長丁場を乗り切りましょう(^o^)v (2020年4月12日 21時) (レス) id: 690493538b (このIDを非表示/違反報告)
ちちち(プロフ) - しろくまさま、最後のお話にきゅーっときて、私も妄想頑張ろうと思いました!こんな時だからこそ妄想で自由に羽ばたいてもいいんですよね！いつも素敵なお話ありがとうございます。 (2020年4月10日 22時) (レス) id: b5788e234f (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - みるみるみるきーさん» みる様〜ありがとうございます。獣人シリーズは長編ネタだったかもしれん…とちょっと書ききれなかったネタに後悔してます←無計画。でも幸せな家族の形で終わりにできて満足です。そしてワタクシ、「はっぴーばれんたいん！！」をメチャクチャ待ってます…(///∇///) (2020年4月8日 12時) (レス) id: 690493538b (このIDを非表示/違反報告)
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