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side yuya
前に伊野尾君から聞いてた、翠の事。
俺が持ってるイメージとは違うって。
本人からこんな風に聞く事になるなんて思ってもなかった。
翠「ねえ。雄也…他に好きな人、出来た?」
「え!?」
今まで伊野尾君の話をしてたのに。
急にこんな事…。
翠の話があっちに行ったりこっちに行ったり…モヤモヤしてる俺は、そのスピードに全然付いて行けない。
翠「…あははっ!やめてよ、そんな顔!ビックリした?あんまり構ってくれないからイジワルしたんだよっ!バーカ!」
言葉に詰まる俺の肩をパーンっと思いっきり叩いた。
さっきの深刻な表情は完全に消え、ゲラゲラ笑ってる。
翠「…さてと…。雄也の邪魔にならないように、もう帰るね。」
「…駅まで送るよ。」
.
.
寂れた商店街を抜けたら海に出る。
冷たい潮風から身を守るように2人並んで駅まで歩く。
辺りはもう真っ暗。
翠が今、どんな顔してんのか分からないけど…家を出てから押し黙ったままだ。
他に好きな人が出来たのか?なんて聞かれた俺も、気軽に何か話す気分じゃなくって、ただひたすら駅まで歩くだけ。
その沈黙を破ったのは、翠。
突然、意味不明な事を呟いた。
翠「私ね。…人を殺した事があるんだよね。」
「…え…?…って、おいっ!翠っ!!」
その言葉に驚かされたと思ったら、急に翠の姿が視界から消えた。
.
.
車のライトに照らされた翠を抱きしめ、夢中で飛んだ。
アスファルトに叩きつけられる瞬間、耳元で嫌な音を感じた。
去り際車の窓が開き、転がる俺達に大きな声で何か言ってきたけど…そんな事に構ってる場合じゃない。
「翠!?…翠、翠!」
翠「…雄也…?」
薄っすら目を開け、俺を見上げて微笑む。
「バカ!…何してんだよっ!」
翠「…あはっ…ゴメン…。」
「笑い事じゃないだろっ!何考えてんだ!死ぬだろ!?」
仰向けの翠の目に涙。
スーッと横に頬を流れて落ちる。
「立てる?」
翠「…立てる。雄也、ごめん…ケガ…。」
翠に言われて初めて気付いた。
転げた時の摩擦でコートとジーンズが破れ、いろんな所から血が流れてる。
「いいから、俺の事は。翠が無事でよかった。」
翠「…。」
.
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きょんふぁ(プロフ) - みるみるみるきーさん» 姐さんあけおめでございます!何も考えずにつけたお名前でしたが、なるほど甲本さん…(笑)翔君と同期の設定なので、若めに変換して読み進めてくださいませ。続編の準備が出来ましたので引き続きおつきあいください。2は初っ端から…やばば( ;∀;) (2018年1月3日 18時) (レス) id: 782f9227dc (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - あうぅーー。なに?どうなるの?!え?甲本はなにするの?!やーばい、やばい。あの甲本さんが浮かんでるるる。こないだ金八先生見たばっかだからーー。 (2018年1月3日 0時) (レス) id: 40e0ecae06 (このIDを非表示/違反報告)
きょんふぁ(プロフ) - ヨウコさん» ヨウコさんの絶叫ゲット(笑)先は長いので程々に…(;´Д`)もうパス復活のタイミングが分かんなくなってきてるとこです☆どうにでもなれ〜い(笑) (2017年12月28日 15時) (レス) id: cb24d66707 (このIDを非表示/違反報告)
ヨウコ(プロフ) - うわぁぁぁ!そうきたかーー!やっぱりきょんふぁさまのとこには私叫び声をあげるんですねー!うおーーー!何をどういったらいいかわからないーー(>_<) …はあはあはあ…沼ですかそうですか。私またどなたかと手を繋いで震えながら読み進めないとだめですね… (2017年12月27日 18時) (レス) id: 1ec0dcf065 (このIDを非表示/違反報告)
きょんふぁ(プロフ) - みるみるみるきーさん» 姐さんに好きと言ってもらえて嬉しい(*´▽`)でもこの先沼が待ってます。どうか引かれませんように(笑) (2017年12月27日 17時) (レス) id: fd52a08e50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:京華 | 作成日時:2017年11月27日 22時