#７ トラウマ ページ7
あれは…
ドラマ部門にいたときだったかな
どうしたって美術スタッフは深夜まで仕事に追われることが多々あった
スタジオに泊まり込んで、撮影の準備に追われる
監督さんのこだわりが強ければ強いほどあたしたちは大変で
だけど…
やりがいは本当にたくさんあったんだよね
＊
＊
一本のドラマにつき約３か月
それが終われば次の作品に取り掛かる
自分の作ったものが作品の一部としてテレビに映れば、スポットを浴びななくたって達成感にあふれてた
作ったものを俳優さんたちが少しでも気にして褒めてくれれば、気持ち的にも救われた
あたしは…
元々が細かい性格なんだと思う
どんなに忙しくたって、色々な部分が気になって気になって仕方がないからと、ほとんど家にも帰らずに同じスタッフたちと過ごしてた
そんな中でも自分に潔癖なところがあって、平気でスタジオ内で着替えるし、シャワーやなんかも気にせずに入ってたたんだよね
だけどその環境がある日一遍した
その…
トラウマがまだ残ってるの…
＊
智「…ふふ、ここついてるよ？」
そう言って大野さんが伸ばしてきた手
その手に…
恐怖を感じる
「…っ！？やっ…」
自分の体と頭を抱えるようにして座り込んで避けたその手が一瞬にして空中で止まって…
智「あ、ごめ…テープ…」
頭の上で聞こえる大野さんのその言葉に…すぐに我に返って目も合わせずに謝罪した
「ご、ごめんなさい！…びっくりして…すいません！」
智「…いいよ、ごめんね？びっくりさせて」
「い、いえ…」
智「テープ…耳の横についてるから取りなね？」
「あ、はい…ありがとうございます」
少し困った顔して大野さんが立ち去ると、あたしはその場に…座り込んだ
もう…大丈夫だと思ってたのに…
何してんだろ、あたし…
「はぁ…」
ため息をついてその場を離れてスタジオに戻れば、寛太さんがあたしに気が付いて笑顔になる
…大丈夫
あたしには…寛太さんがいるんだから…
大丈夫だよ…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1079人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
嵐☆ピカンチ - 初めまして（≧∇≦）とっても面白いです（≧∇≦）続きがめっちゃ楽しみです（≧∇≦）更新頑張ってください(^O^)野球大会はどうでした ？めっちゃカッコいいですよね（≧∇≦）TVのワイドショーで見てました☆ (2016年4月18日 0時) (
レス) id: 1cd24c1e0a (このIDを非表示/違反報告)
さくらさく(プロフ) - 天音さん» コメントありがとうございます。頑張ります (2016年3月1日 9時) (レス) id: db35f12c0b (このIDを非表示/違反報告)
天音(プロフ) - はじめまして！天音っていいます！続き楽しみに待っています！ (2016年2月17日 1時) (レス) id: 27d89b2f1b (このIDを非表示/違反報告)
さくらさく(プロフ) - エミさん» ありがとうございます。がんばります(*^^*) (2016年1月30日 9時) (レス) id: db35f12c0b (このIDを非表示/違反報告)
エミ(プロフ) - はじめまして！続き楽しみにしています！！ (2016年1月12日 0時) (レス) id: 6a33be5b79 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さくらさく
| 作成日時：2016年1月12日 0時
