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『いやアレは何かの形を留めているだけで料理の形としては留めてねぇから』
『アレは焼きただれたなにかだよ』
『チャーハンだったんですけどねぇ』
『チャーハン！？あれが！？
作ってる最中爆発でもしたのかよ！？』
この通り双子はたった数ヶ月で頑なに誰にも開こうとはしなかった心を松陽に開いていました
双子は松陽に様々な表情を見せました
出会った時の強ばった顔か真顔ではなくて困った顔、顰めた顔、照れた顔、笑った顔、怒った顔
この男に出会ったことにより「屍を食らう双鬼」は少しずつ、それでも着実に「人間」へと変わっていっていきました
『…塾を開いて数ヶ月……
少しずつ人も増えてきてますからね。
いやはや、順調に進んでますよ』
『確かにね』
Aは同意するように相槌を打った
松陽の言うように、塾を開いて数ヶ月初めは生徒がこの双子しかいなかった今では百姓たちの子供がそれなりに集まり、塾と言っても恥ずかしくないくらいの人数が集まっていたのだ
『銀時とAは先輩ですから、しっかりね』
『いやあんまり先輩とか関係なくない？』
『先輩なのにあいつら俺らのこと敬わねぇんだよなぁシメとくか』
『オイ』
『Aそこはちゃんと先輩としての威厳をだな──』
『ふふっ、本当仲がいいですね二人は』
こんな生活をしているうちに、双子にとって松陽は何よりも掛け替えのない存在になっていました
松陽にとってのこの双子の存在もまた然り
松陽は己の半身しか持たぬ天涯孤独な双子の父になることを決め、余すことなく愛情を注きました
双子にとって家族など全くの未知の存在であった双子からすれば「父」など何なのかわかりませんでしたが、彼が自分たちにとってなによりも安心できる居場所を作ってくれる人であることは分かっていました
そうしてまた
双子は運命的な出会いをすることになります
その日は、双子揃って塾から抜け出していました
双子は松陽と居たいがために塾にはいますが、二人は学問に関して微塵の興味もありません
だからこうして度々抜け出すのです
今日も抜け出してのんびりとする日と変わらない、そう思っていました
『高杉。ウチの弟が世話になったらしいな。
下級武士の小倅の分際で身の程をわきまえろ。
お前には先輩の特別授業が必要のようだ』
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江(プロフ) - Milkさん» コメントありがとうございます！好きと言っていただけて凄く嬉しいです！これからも愛読よろしくお願いします！！ (2020年5月8日 12時) (
レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
Milk - 初コメ失礼します！！本当に本当にこの小説すごく好きです…！！ (2020年5月4日 15時) (レス) id: b976b329cf (このIDを非表示/違反報告)
江(プロフ) - 白狼龍さん» ありがとうございます！更新頑張りますね！ (2020年5月1日 16時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
江(プロフ) - ☆ねこ☆ねこ☆さん» コメありがとうございます！これからもハラハラドキドキしちゃってください！ (2020年5月1日 16時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
白狼龍 - 面白かったです！ とても続きが気になります(*´∇｀*) (2020年4月26日 22時) (レス) id: b10076b070 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：江
| 作成日時：2020年3月13日 16時
